※当ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
見た目や静音化のためにPCケースファンを小型化する方がいますが、個人的にはあまりおすすめしません。
ゲーミングPCに限って言えば、「ケースファンは大きさが正義」です。つまり、大きければ大きいほどメリットも多くなります。
ここでは、その理由を具体的に解説したいと思います。
ケースファンの大きさ=冷却能力
当然のお話ですが、ケースファンは大きければ大きいほど冷却能力が高くなります。
厳密に言えばケースファンの大きさ(直径、厚さなど)と回転数が風量を決めるため、回転数も重要なのですが、現在のケースファンは大半が回転数の調整に対応しています。
一方、大きさは購入時から変更することができないため、絶対的な冷却能力を求めるならば大きさにこだわるべきです。
では、大きさでどのくらい冷却能力が変わるのかを、「風量」などの数値で見ていきましょう。下記は、あるケースファンのサイズ・回転数・ノイズ・風量をまとめたものです。
ケースファンAのサイズ別性能
80mm角(厚さ25mm)
回転数 | 900~2000rpm |
ノイズ | 10~21.5dBA |
風量 | 最大27CFM |
92mm角(厚さ25mm)
回転数 | 900~2000rpm |
ノイズ | 11~23.5dBA |
風量 | 最大38CFM |
120mm角(厚さ25mm)
回転数 | 750~1500rpm |
ノイズ | 12~25.5dBA |
風量 | 最大58CFM |
140mm角(厚さ25mm)
回転数 | 900~2000rpm |
ノイズ | 10~25.1dBA |
風量 | 最大74.5CFM |
ノイズの単位はdBAで、この数値が大きいほど「うるさい」ということですね。風量も同じく数値が大きいほど、「冷却能力が高い」と考えることができます。
8センチサイズのファンは9.2センチのものと騒音はほとんど同じでありながら、風量は6割程度しかありません。
同じように9.2センチのファンは12センチファンと大差ない騒音でありながら、風量は6割。14センチファンにいたっては、9.2センチサイズ比で誤差レベルの騒音でありながら、風量は約2倍です。
単純に考えると、9.2センチのファンを2基設置するならば、14センチファン1個のほうが同じ冷却能力でも騒音は半分、ということになります。
このようにファンのサイズと騒音は比例せず、ざっくり見るとほぼ横ばいです。一方、風量はファンのサイズに比例して大きくなっていくため、大きいファンのほうが圧倒的に得なのです。
「大型のファンを設置して、回転数を低めにして風量を確保すること」が、冷却能力と静音性を確保する近道だと言われるのは、こうした騒音と風量の関係性に由来しています。
「4ピン接続の大型ファンを3~5個」で大抵のPCは問題ない
最近はフロントパネル部分に12~14センチファンを増設できるうえに、天板にも2~3個の大型ファンを設置できますよね。
これにリアファンが組み合わされば、ミドル~ハイエンドのゲーミングPCならば熱暴走に陥ることはないでしょう。
個人的なおすすめは「フロント14センチ×1~2」「リア12センチ×1」「天板に12センチ×1~2」ですね。
最低3個、多くても5個のファンで冷却性能と静音性を両立できます。もちろん、ケースファンは静音モデルを選びましょう。
また、回転数を調整できるPWM(Pulse Width Modulation)に対応した4ピン接続がおすすめです。3ピンの場合は常時最大回転数で回ってしまうこともあるため、必ず4ピンのPWMに対応したモデルを選んでください。