NIS(NVIDIA Image Scaling)で古いゲーミングPCも快適になる?

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Nvidiaでは、2020年ころから「アップスケーラー」と呼ばれる技術の開発を進めています。

アップスケーラーとは「限りあるGPUパワーで、できるだけ効率よく描画処理をすすめるための技術」です。

アップスケーラーをうまく使えば、2世代以上前のGPUでも快適にゲームをプレイすることができるかもしれません。そこでNvidia最新のアップスケーラー「NIS(NVIDIA Image Scaling)」について解説します。

NIS(NVIDIA Image Scaling)とは?

NISは、Nvidiaが開発したアップスケーラーのひとつです。アップスケーラーとは、GPUパワーをより効率よく使い、フレームレートと画質の処理を最大限に高めるための技術。

具体的には、ゲーム画面を一旦、低解像度でレンダリングし、それをアップスケーラー側で超解像処理を施してから出力するという仕組みです。

これまではGPUがレンダリング・出力を行っていましたが、その過程の一部をアップスケーラーが担い、なおかつ解像度を高めてくれるために、小さなGPUパワーでもフレームレートと画質を両立しやすくなるわけですね。

アップスケーリングはNISの前にもいくつか存在し、代表的なところではAMDの「FSR(FidelityFX Super Resolution)」やNvidiaの「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」などがあります。

DLSSはRTXシリーズを使用している方ならご存知かと思いますが、そもそもRTXシリーズの基礎性能が高いために、劇的な効果を体感していない方も多いでしょう。

一方、NISはどちらかといえば古いGPUやローエンドのGPU向けに開発されたアップスケーラーです。

NISは700シリーズや900シリーズをサポート

NISがサポートするのはGTX750TiやGTX900シリーズなど、かなり古い世代のGPUです。

具体的には、「GeForce Game Ready Driverの496.70以降」「GeForce GTX 900シリーズ」と明言されているようですね。

GTX750Tiが発売されたのは2014年ですから、実に8年前。未だに根強いファンがいる名機ですが、さすがに2022年のゲームシーンに参入するには厳しい性能です。

2015年頃からあるタイトルならまだしも、近年のFPSにはほとんどついて行けないでしょう。しかし、NISをオンにすることで低解像度であればある程度はプレイできる可能性があるわけです。

NISは、ゲーム側で対応する必要がなく、Nvidiaがドライバーレベルで作成したアプリケーションだけに、機械に直接作用するようなものと考えられます。

だからこそ、古いGPUであっても性能がワンランクアップしたような動きができるわけですね。

NISの設定方法と注意点

NISの設定は、Nvidiaコントロールパネルから行います。

Nvidiaコントロールパネルを開き「3D設定の管理」から「イメージスケーリング」に移動。この項目をオンにすることでNISが提供される準備が整います。

あとは、鮮鋭化のスライダーを任意の場所に置くと、そのぶんだけシャープさが上昇してボケや滲みが少なくなります。

ここまでの設定が終わったら、実際のゲームを立ち上げ「ディスプレイの解像度よりも低い解像度」に設定します。こうすることでディスプレイ側に出力される信号は高い解像度で、実際のレンダリングが低い解像度になるわけです。

ただし、「解像度の変更が信号に反映されないゲーム」では、NISの効果が確認できないようですね。これはタイトルによるため、事前に確認する必要があるかもしれません。

まだまだ改良の余地があるNISですが、古いゲーミングPCを有効活用する場合や、GPUの価格が落ち着くまで延命したい場合には、非常に便利な機能だと言えるでしょう。ぜひ使ってみてください。