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PC電源の認証規格といえば「80PLUS」のみが有名でしたが、最近は新しい規格が登場しています。
今回は、80PLUS認証に代わる規格「Cybenetics ETA」を紹介します。
新しいPC電源規格「Cybenetics ETA」
PC電源の性能を判断する基準として長らく使われていた「80PLUS」ですが、最近になってやっと80PLUS以外の規格が登場しました。
それは「Cybenetics ETA」というものです。Cybenetics ETAでは、ブロンズからダイヤモンドまで合計6つのグレードを設けており、80PLUSよりも厳格な基準で認証されます。
80PLUS認証では、グレードの認証基準として「変換効率」のみを設けていましたが、Cybenetics ETAでは変換効率のほかに「力率(PF)」「5VSB変換効率」「待機電力」という3つの基準が上乗せされています。
各基準の概要は以下の通りです。
力率(PF)
供給された電力のうち何%が有効に働いたかを示すもの。力率が高いほど(1に近いほど)、電力を効率よく使えていることになる。
5VSB変換効率
主に省電力系の機能に使用される5VSB系統の変換効率をしめすもの。
待機電力
電源が使用されていない間の待機電力。
Cybenetics ETAのグレードと認証要件
Cybenetics ETAでは変換効率に上記3つを加えた4基準でグレードの認証を行っているようです。早速グレードと認証要件を見ていきましょう。
Cybenetics BRONZE
変換効率:82%以上85%未満
力率(PF):0.950以上
5VSB変換効率:71%以上
待機電力:0.25W未満
Cybenetics SILVER
変換効率:85%以上87%未満
力率(PF):0.960以上
5VSB変換効率:73%以上
待機電力:0.22W未満
Cybenetics GOLD
変換効率:87%以上89%未満
力率(PF):0.970以上
5VSB変換効率:75%以上
待機電力:0.19W未満
Cybenetics PLATINUM
変換効率:89%以上91%未満
力率(PF):0.975以上
5VSB変換効率:76%以上
待機電力:0.16W未満
Cybenetics TITANIUM
変換効率:91%以上93%未満
力率(PF):0.980以上
5VSB変換効率:77%以上
待機電力:0.13W未満
Cybenetics DIAMOND
変換効率:93%以上
力率(PF):0.985以上
5VSB変換効率:79%以上
待機電力:0.10W未満
80PLUS認証よりも性能がイメージしやすい
以上の基準を見て私が感じたのは「80PLUSよりも性能が明確に規定されている」ということです。
例えば、変換効率はコンセントからの電流がロスされいないことを示すものですが、これをさらに補完する情報として力率が設けられています。
また、一般的にはそれほど使用されないが、重要な系統である5VSBの指標や待機電力についてもまとめられており、電源の持つ性能の全体像を掴みやすいのです。
日本ではやっと去年ごろから見かけるようになりましたが、まだメジャーなPC電源ブランドでは採用されていませんね。
それだけに、Cybenetics ETAを取得した良質な電源を安く入手するチャンスかもしれません。80PLUSは有名になりすぎていて、上位グレードは割高ですから…。
ちなみにCybeneticsでは、騒音やノイズについても独自の基準を設定しており、こちらは「Cybenetics LAMBA」という規格にまとめられています。
Cybenetics LAMBAではdB(デシベル)でグレードが分けられていて、最上位グレードは15dB未満という超静音仕様。
15dBは、聴覚検査で使われる音で最も小さいレベルのものですね。耳をすませてやっと聴こえる程度です。
PC電源に求められる性能を、さまざまな基準で評価しているCybeneticsの認証を受けた電源は、今後の狙い目になるかもしれません。