型落ちの中のエリート「Ryzen 7 5800X3D」

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CPUの性能が上がる一方で、価格も徐々に上昇しています。最近のCPUはミドルレンジクラスでも十分すぎる性能を持っているのですが、そのミドルレンジですら予算オーバーになることもしばしば。

こうした状況の中で「型落ちのCPU」を好んで選ぶ人が増えたような気がします。今回紹介する「Ryzen 7 5800X3D」は、そんな型落ち品の中でも特に注目されている有望株です。

「半ばオーパーツ」との声も…Ryzen 7 5800X3Dのスペック

2023年に入って再評価されているCPUが「Ryzen 7 5800X3D」です。ネットの情報では「ほとんどオーパーツ」といった声も散見されるほどの高評価ぶり。

まずスペックを見てみましょう。

Ryzen 7 5800X3Dのスペック

アーキテクチャ:Zen 3アーキテクチャー
製造プロセス:TSMC 7nm FinFET
CPUコア数/スレッド数:8コア/16スレッド
動作クロック:3.4~4.5GHz
TDP:105W

スペックだけを見ると、正直なところ最近のミドルレンジCPUと何ら変わりありません。8コア16スレッドで4GHz前後というのは、きわめて平均的なスペック。

IntelのCore i5シリーズと大差ないように見えますよね。しかしRyzen 7 5800X3Dには、積層キャッシュメモリ「3D V-Cache」が搭載されており、極めて高いゲーミング性能を誇ります。

3D V-Cacheについては以前も触れたことがあるのですが、簡単に言えば「キャシュメモリを平面ではなく立体で実装する技術」です。

ご存じのようにCPUは、限られた面積をいかに有効に使えるかが性能を左右します。Ryzenの新技術「3D V-Cache」では、キャッシュメモリを平面ではなく積層にすることで、狭い場所でも大容量のキャッシュメモリを搭載できるわけです。

Ryzen 7 5800X3Dは、発表されると同時に「ゲームンチェンジャー(勝負の流れを変える者)」と呼ばれていましたが、その背後には3D V-Cacheの存在がありました。

この3D V-Cacheのおかげなのか、海外のCPUレビューサイトでも高評価を得ています。

海外サイトのランキングから見えるRyzen 7 5800X3Dのすごさ

CPパーツの比較・レビューサイトとして有名な海外サイト「tom’s HARDWARE」で、2023年版のCPUベンチマークランキングが公表されました。

このランキングはWindows11によるフルHD環境での結果をまとめたものだそうです。ちなみにこちら(https://www.tomshardware.com/reviews/cpu-hierarchy,4312.html)から確認できます。

2023年時点の最新世代および準最新世代のCPUを比較していて、Ryzen 7 5800X3Dは10位にランクインしています。

ちなみに9位は「Core i7 13700K」、11位は「Rynzen 7 7700X PBOモード(ASUSのOC機能「Precision Boost OverDrive」を利用したモードと思われる)」です。

Ryzen 7 5800X3Dが発売されたのが2022年の4月、Core i7 13700Kが同年の10月です。また、Rynzen 7 7700Xは2022年の9月に発売されています。

モデルナンバーを見てもらえるとわかるのですが、Ryzen 7 5800X3Dは5000番台であり、7700Xよりも1世代前のCPU。もちろん、Core i7 13700Kよりも世代は一つ古いことになります。

ということで、Ryzen 7 5800X3Dと同世代である5000番台のCPUが次にでてくるのは、31位(Ryzen 9 5950X)のこと。その他はすべて第13世代CoreシリーズかRyzenの7000番台なので、Ryzen 7 5800X3Dがいかに特殊な位置にいるかお分かりいただけると思います。

最新ハイエンドと同等の性能が4万円台で

Ryzen 7 5800X3Dは、新品価格こそ5万円台中盤なものの、中古ならば45000円程度で出ています。この性能が4万円台は破格だと思うので、見つけたら即買いしそうですね。

Ryzen 7 5800X3Dは新技術を投入した実験的なCPUとの声もあるので、純粋な型落ちCPUとは言えないのですが、それでも魅力的なCPUであることには違いありません。