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ほんの10年ほど前、ゲーミングPCは10万円で買えるモデルが沢山ありました。しかし、2023年現在、10万円ではミドルレンジ下位クラスすら難しいのが実情です。
なぜこれほどまでにゲーミングPCの単価があがったのでしょうか。また、今後はどこまで高くなるのでしょうか。今回はゲーミングPCの単価上昇について考えてみます。
上がり続けるゲーミングPCの単価
2023年10月24日に、BTO大手のマウスコンピューターが製品発表会を開催しました。その中でマウスコンピューターの代表取締役社長、小松永門氏が製品の紹介を行いました。
小松永門氏は、ゲーミングPCの販売価格が近年、部品の高騰や為替レートの変動により着実に上昇しており、2015年には15.7万円だった販売価格が2023年には21.2万円にまで上昇したことを指摘しました。
この流れを受けて、10代から20代の若年層に向けた低価格な製品が必要であるとの考えを述べています。
一方、マウスコンピューターのゲーミングPCの出荷台数は、2022年以降減り続けており、ゲーミング市場が拡大しているにもかかわらず、その成長が鈍化していることに触れています。
ゲーミングPCの単価に関する調査は珍しいですね。体感していた「値上がり」が事実であったことがわかり、どこかスッキリしている反面、残念でもあります。
2015年に15.7万円から2023年に21.2万円ですから、値上がり率は約35%。1年あたりだいたい4.5%ほど値上がりしている計算になります。
もちろん、同一スペックのPCを比較したものではありませんし、毎年性能が上がっているわけですから、妥当と言われればそうです。
しかし私がゲーミングPCに興味を持ち始めた2000年代前半は、「ミドルレンジ10万円」が毎年固定のような状態で、ここまでの値上がりはなかったように記憶しています。
つまり、10万円で買えるものが毎年進化していたので、常にお得感があったわけですね。
ゲーミングPCはどこまで値上がりするのか
ゲーミングPCの値上がりは、結局のところ「マザーボード」「CPU」「GPU」の値上がりによるものだと考えられます。
メモリは大して値上がりしていないですし、SSDに関しては容量当たりの単価は下がっているわけで。電源は若干値上がり傾向にありますが、1万円未満で買える製品が沢山あります。
しかし前述の3つに関しては、廉価版のローエンドはともかくとして、普及価格帯のミドルレンジが大幅に値上がりしました。
特にマザーボード。ミドルレンジが3万~5万越えが当たり前になり、正直なところ驚きを隠せないでいます。
部品の高騰や円安の影響を受けやすいマザーボードは、今後も値上がりが続くと考えられますので、それに釣られてゲーミングPCの価格も上昇していきそうです。
個人的な予想ですが、5年後くらいには今よりも3万円ほどは単価が上がるのではないかと。そうなると「20万円未満は格安」という時代になるわけですね。ちょっと怖い気もします。
自作が再び脚光を浴びる時代が近い?
一方で、ちょっと楽しみなこともあります。それは「自作のメリットが再び大きくなるのではないか」ということです。
自作PCは、BTOに比べても非常に割安であることが評価されていましたが、近年はBTOと大差ない価格になってしまうことから、昔のように盛り上がっていませんでした。
Youtuberの影響で自作PCにハマる人がいるものの、以前のように大流行というイメージではないですね。自作PC派のバイブルだったDOS/Vパワーレポートが休刊に追い込まれたことからもわかるように。
しかしPCの単価上昇が続けば、自分で組んで安く上げようという方も増えるはずですし、以前のように自作PCが盛り上がるのではないかと期待しています。
今はとにかく、安くて安定したマザーボードが少しでも増えることを願うばかりです。