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どんな重量級のグラフィックボードでも、1枚だけでは性能に限界にあります。ハイスペックを追求するなら、2枚刺しを考えるときが出てくるでしょう。
そこで今回はクロスファイアやSLIといったグラボ2枚刺しのメリット、注意点を紹介していきます。
グラボ2枚刺しのメリットとは
NVIDIAのSLI、AMDのクロスファイアともに、グラボを2枚指すことによってグラフィック性能が一気に上昇するというメリットがあります。
では一体どのくらい上昇するかという点ですが、これはグラフィックボードによってまちまちです。しかし、ここ2、3年のグラフィックボードであればベンチマーク上は1枚刺しの時に比べて、1.8倍から2倍弱の性能を叩き出します。
この特性を利用して、ミドルレンジ1枚刺しにもう1枚同型のグラフィックボードを追加し、最新のグラフィックボードを上回る性能を手に入れることも可能です。
コスト面でいうと、最新のグラフィックボード1枚よりも従来のミドルレンジを1枚買ったほうが安上がりなため、安価に快適なゲーム環境を手に入れることができます。
グラボ2枚刺しのデメリット
しかし、総合的に考えるとデメリットもあります。
電気代が高くなる
グラボ2枚刺しのデメリットといえば、やはり電気代です。SLIにしろクロスファイアにしろ、2枚刺しにすることでワンランクから2ランク上のグラフィックボード以上の消費電力になってしまいます。
特に最近のグラフィックボードは高性能でありながらTDPが低いモデルが多いため、少し前のグラフィックボードに比べると、1枚運用時の電気代が圧倒的に安いのです。
この電気代、自作PC初心者のときは軽視しがちですが、1年、2年と使っていくと累計で数万円の差となることもめずらしくありません。
例えばGTX1080を1枚買うよりも、今使っているRX480にもう一枚同型を足したほうが価格上は有利です。しかし、GTX1080のTDPは180W、RX480は150Wですから、RX480でクロスファイアをすると理論上は300WというTDPになってしまいます。
性能は同等程度になりますが、TDPが1.7倍以上になるため、電力的にはコスパが悪くなるのです。同じことはSLIについてもいえるでしょう。
マルチGPU非対応のゲームではあまり意味がない
SLIやクロスファイアはベンチマーク上、確実に性能があがります。しかし、実際のゲームではどうでしょうか。これらマルチGPUに対応したゲームでなければ、速度アップやFPS(1秒あたりのフレームレート数)向上を体感できないかもしれません。
これはSLIやクロスファイアが登場した当初から問題となっており、数値上は意味があるようにみえるが、実際はそこまで使えないという評判のもとにもなっています。もちろん、最新ゲームの中にはマルチGPUに対応するものも増えてきましたので、投資が完全に無駄になるというわけではありません。
投資を無駄にしないためにも、自分がやりたいゲームがマルチGPUに対応しているかどうかを事前に調べたうえで、SLIやクロスファイアに挑戦するようにしておきましょう。