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2019年はCPUが一段進化しそうな年ですね。ここ数年、停滞していたCPUの基礎性能が、やっと伸びるかもしれません。では、CPUはどういった基準で進化を語られるのでしょうか。そのヒントは「プロセスルール」にあります。
ここでは、「プロセスルール」や「nmプロセス」という言葉について、詳しく解説します。
CPU進化の鍵を握る「プロセスルール」と「nm(ナノメートル)」
プロセスルールとは、「CPUを製造するときのに、どれだけ細かい単位で作るか」を表した基準です。
具体的には「半導体の回路上にある”配線の幅”」といえます。このプロセスルールが細かいほど、CPUダイの上に沢山の回路を設置できるため、1個あたりの性能が上がると考えてください。
また、プロセスルールは「nm(ナノメートル)」という単位で表現されます。1ナノメートルは10億分の1メートル、つまり100万分の1ミリです。日常生活ではまず目にすることのない単位ですが、1ミリをさらに100万分割しているわけですから、超極小の単位であることは想像がつきますよね。
このプロセスルールですが、2019年は12nm、14nmから、7nm、10nmへの進化が予定されています。具体的に言えば、AMDはすでに7nmプロセスのCPU及びGPUの出荷を予定していますし、Intelも10nmプロセスのCPUを開発中です。
7nmや10nmプロセスのパーツは、2017年あたりから登場が噂されてきましたが、いよいよ現実味を帯びてきました。
約2年ごとに微細化を繰り返してきたプロセスルール
プロセスルールは約2年ごとに3割程度の微細化が進められてきました。これは、Intel社が製造しているCPUの歴史からも明らかです。
Intel社製CPUのプロセスルール進化の歴史(カッコ内の数字は1つ前の世代に対しての割合)
2002年 | 180nm |
2004年 | 130nm(約72%) |
2006年 | 90nm(約69%) |
2008年 | 65nm(約72%) |
2010年 | 45nm(約69%) |
2012年 | 32nm(約71%) |
2014年 | 22nm(約68.7%) |
2015年 | 14nm(約63%) |
2019年 | 10nm(約71%) |
しかし、ここ3~4年でプロセスルールの微細化が難しくなり、2015年以降は2年ごとの更新ルールが崩れてしまいました。そのため、今回の微細化は通常の2倍の間隔(約4年)ぶりの進化といえます。
ちなみにAMD社は7nmプロセスをうたっていますが、技術的にはIntel社10nmプロセスと同水準なため、両社はほぼ同一のステージにいると考えて良いでしょう。
4年ぶりの変革でゲーミングPCも変わる可能性が
正直なところ、これまでの「2年間」というスパンは、かなりハイペースだったと思います。新しいCPU・GPUがリリースされ、数か月様子見をして買い換えたとしても、1年ほどで次世代CPU・GPUの話題が出始めてしまうわけです。
そのため、どうせ頻繁に性能進化があるのだから待っていても仕方ないという風潮があったのです。つまり「欲しいときが買い時」と言われていました。
しかし今後は、進化のスピードがゆるやかになり、その分だけ次の世代のインパクトも大きくなるでしょう。7nm、10nmプロセスに移行した後は、4~5年間、画期的な進化が見込めないかもしれません。
またマシンの更新間隔が長くなるため、ローエンド製品を渡り歩くより、積極的にミドル~ハイエンドを狙ったほうが、満足度は高くなる気がします。それだけに、納得のいくゲーミングPC選びを心がけたいところですね。