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毎年、春から夏にかけて登場する「静音PC」は、ゲーマーにとって風物詩とも呼べるものではないでしょうか。私も毎年のように登場する静音PCに、またか…とは思いつつも興味津々です。この静音PCの中には「完全無音」を謳うものがあります。
果たして完全無音PCは、騒音対策以外でも役に立つのでしょうか?
SSDにファンレス…完全無音PCが簡単にできる時代
ここ数年で、「完全無音PC」に対するハードルはかなり下がりました。理由は、パーツ自体の静音性が上がっていることです。
まず、物理的に常時回転していた「HDD」が「SSD」に置き換わったことで、騒音や振動は激減します。その上、CPUの省電力化と低発熱化、ファンレス仕様のヒートシンク、ケースなど、いずれも簡単に騒音を減らせるものばかりです。
また、CPU内蔵グラフィックの高性能化によって、独立GPUを搭載する必要性が低下していることも理由になるでしょう。しかし、「騒音が無い」ことを理由に性能が低いPCが多いことも事実ではないでしょうか?
そこで、完全無音PCについてスペック面から中身を検証してみたいと思います。
完全無音PCは「使える」代物なのか?
2019年3月に発売されたECSの完全無音PC「LIVAZ2-8/120-W10Pro(N4100)」は、ファンレス仕様の超静音モデルです。
スペックは以下のとおり。
OS | Window 10 Pro 64bit |
CPU | Celeron N4100(4コア/4スレッド、1.1GHz~2.40GHz動作、TDP6W) |
メモリ | 8GB(DDR4-2400) |
ストレージ | SSD120GB+eMMC32GB |
※ファンレスヒートシンク搭載
非常に簡素な構成ですが、ポイントはCPUの性能といえるでしょう。Celeron N4100は2017年第4四半期に発売されたCPUで、超省電力モデルです。いわゆる格安ノートPCに搭載されるタイプのCPUで、「Gemini Lake」というコードネームが付けられています。
CINEBENCH R15のスコアは、同じくノートPC向けのミドルレンジCPU「Core i5-8250U」の4分の1程度。また、Core i3-7100Uの9割程度、といった具合ですね。「Core」シリーズ以外の中では健闘しているものの、絶対的な性能は決して高くありません。用途はブラウジング、SNS、動画視聴程度がメインになるでしょう。
ちなみに内蔵グラフィックは「Intel UHD Graphics 600」。イメージとしては、2Dゲームならばなんとか遊べる、といった感覚ですね。
ゲーミングPCとしては不適、サブマシンなら有り
性能的には「メインで使えるゲーミングPC」にはなり得ません。NUCモデルですから、省スペースかつ低発熱、無音という特性をいかしてサブマシンとして活躍するでしょう。価格は税込み45000円程度ですから、自作でサブマシンを構築するよりは安いかなという感じです。
音と性能はどうしてもトレードオフになりがちですが、格安で購入できるサブマシンとしてならば「完全無音PC」も選択肢になるといえます。私ならリビング専用とか寝室専用で、動画視聴のために使うマシンにすると思いますね。