SSDのヒートシンク形状から見える冷え方の違い

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PCIe4.0が、いよいよ市場に姿を現し始めました。この流れを受け、SSDを使用するインセンティブが、より大きくなります。特に、小型高性能なM.2 SSDは、今後のゲーミングPCで一般的な装備になっていくでしょう。しかし、ここで問題になるのが「発熱」です。

M.2 SSDの高熱を処理するためには、ヒートシンクの設置が欠かせません。では、最もよく冷えるヒートシンクはどんなものなのでしょうか。

M.2 SSDのヒートシンクパターン3つ

まず、2019年時点でのヒートシンクの形状パターンを整理しておきましょう。現状では、以下3つが主流です。

一枚板タイプ

NAND部分とコントローラ部分まで、M.2 SSD全体を一枚の金属板で覆い隠すタイプです。最も一般的な形状といえるでしょう。

セパレートタイプその1

M.2 SSDの中央部分から2分割されたタイプです。NAND部分の熱がコントローラ部に伝導してしまうのを防ぐというメリットがあります。

セパレートタイプその2

NAND部分とコントローラ部分で、ヒートシンクがそれぞれ分かれてされているタイプです。1枚の金属板を8:2くらいの大きさにカットして分離させてあります。

一般的にNAND部分が熱に弱いことから、この部分をいかに熱から守るかが、ヒートシンクの役目といえます。では、この3タイプでどの程度温度が変わるのかを見ていきましょう。

ヒートシンク形状ごとの冷え方の違い

冷え方は、3つのタイプそれぞれで特徴があります。具体的に温度を記載すると以下のとおりです。

ヒートシンク無し(参考値)

・コントローラ部分:115℃
・NAND部分:82℃

一枚板タイプ

・コントローラ部分:81℃
・NAND部分:68℃

セパレートタイプその1(半分にセパレートタイプ)

・コントローラ部分:89℃
・NAND部分:64℃

セパレートタイプその2(8:2でセパレートタイプ)

・コントローラ部分:89℃
・NAND部分:63℃

ヒートシンク無しの状態と比較したとき、コントローラ部分が最もよく冷えたのは「一枚板タイプ」です。一方、NAND部分が最もよく冷えたのは、「セパレートタイプその2(8:2でセパレートタイプ)」でした。

ただし、セパレートタイプ1と2は誤差の範囲かもしれませんね。要は「コントローラ部分を冷やしたいなら一枚板タイプ」、「NAND部分を冷やしたいならセパレートタイプ」と結論付けて良さそうです。

NAND部分の熱が高くなると、サーマルスロットリングの原因になりやすいため、安定的に冷やせるセパレートタイプが良いのかもしれません。やはりコントローラ部分の熱をNANDに伝導させないことが、M.2 SSDを効率よく冷やすコツといえそうです。

セパレートヒートシンクはM.2 SSDの必須アイテムに

もしM.2 SSDを搭載して安定稼働を目指すなら、ぜひともセパレートタイプのヒートシンクを搭載しておきましょう。ヒートシンク無し状態と比べて、20度近い冷却効果があります。個人的なおすすめは、国産(長尾製作所)の「SMOP-SHS」ですね。

価格は2400円程度でありながら、本体は高精度なアルミニウム製、放熱シリコンパッドは信越化学製と品質は折り紙付きです。たった2000円程度で確かな冷却効果を得られるため、PCIe4.0環境なら是非入手しておきましょう。