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2020年2月12日に発売されたAMDのウルトラハイエンドCPU「Ryzen Threadripper 3990X」。物理64コア、128スレッドという驚異的なスペックで、市場の話題を席巻しています。
早くもこのモンスターCPUを搭載したゲーミングPCが発売されているため、2020年のゲーミングPCの「頂点」をチェックしてみましょう。
パソコン工房「LEVEL-FCTZ-LCRT3W-VWVI」
まずはコストパフォーマンスに優れたモデルに定評があるパソコン工房から。Ryzen Threadripper 3990X搭載モデルの価格は税抜き899980円。税込みでは、約99万円です。ざっくり100万円ですね。
スペックは以下のとおり。
OS:Windows 10 Home 64ビット (DSP版)
CPU:Ryzen Threadripper 3990X
メモリ:DDR4-2666 (PC4-21300) 64GB(16GB×4)
GPU:RTX 2080 SUPER 8GB GDDR6
ストレージ:500GB M.2 SSD(NVMe接続)+ 2TB SATA HDD
電源:850W 80PLUS GOLD認証
※水冷CPUクーラー搭載
まずCPUが単体で約50万円、メモリが約4万円、GPUが約10万円です。この時点で既に64万であり、残り36万円でOS、ストレージ、電源、マザーボード、水冷システムといった具合になるでしょう。
安いか高いか問われれば、正直なところ割安とは言い難いのですが、組み立てや調整の手間を考えると適正価格かなと感じます。
ちなみにマザーボードはASUS製「US PRIME TRX40-PRO」(約6万円)で、Ryzen Threadripperに正式対応したハイエンドモデル。
随所にちりばめられたヒートシンクと国産コンデンサなど、ハイエンド環境を想定した高品質マザーボードだけに、安定した稼働が期待できます。
そもそもRyzen Threadripper 3990Xを受け入れられるマザーボード(AMD TRX40対応マザーボード)が少ないため、自作で組むとしても選択肢が限られると思います。
大手BTOメーカーでも搭載モデルは少ない
2020年2月時点では、ドスパラ、ツクモなどの大手BTOメーカーでもRyzen Threadripper 3990X搭載のゲーミングPCはリリースされていません。
ただし、いわゆる「ワークステーション」ではRyzen Threadripper 3990Xが選べるようになっているようです。そもそもRyzen Threadripper 3990Xは、AMDが公式に「プロクリエイター向けのハイエンドCPU」と明言しています。
つまり、ゲーミング用途というよりは工業用デザインや3DCG、VR、映像編集、CAD設計などに特化したCPUなわけです。自然とGPUは「Quadro」になりますね。パソコン工房でも、Quadro搭載のワークステーションがラインナップに追加されています。
Ryzen Threadripper 3990Xは良心的なモンスター?
Ryzen Threadripper 3990Xは価格だけを見ると高額なのですが、実はそれなりに「割安」なCPUです。
まず1コアあたりの価格を、価格÷物理コア数で単純に求めると約7800円。8コア16スレッドなCPUに換算すると、62400円となります。Intelの8コア16スレッドCPU「Core i9 9900」が約55000~6万円ですから、大差はありません。
次にTDPを見ていくと、64コアで280Wですから、単純に1コアあたり4.375W。8コアに換算すると35Wです。
物理8コア16スレッドのCPUがTDP35Wというのは、かなり頑張っているラインだと思います。ちなみにCore i9 9900は、物理8コア16スレッドでTDPは65Wです。
さらにいうなれば、Intelのサーバー用CPU「XeonR Platinum 9282」は物理56コア112スレッドでTDPは400Wに達します。
このように価格やTDPから計算すると、Ryzen Threadripper 3990Xは、一般PCにも搭載可能なラインを意識して、かなり綿密にチューニングされていることがわかります。
最も、このモンスターCPUの性能を活かすゲームがあるか…と言われれば疑問符が付きますが、もし予算が許すのであれば、一度は手元に置いてみたいですよね。