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ストレージといえばHDD、HDDといえば熱に弱い。これは自作PCをかじったことがある人間ならば、当たり前のように信じていることです。しかし、HDDが故障する本当の原因は他にあるとしたら、信じられますか?実はHDDの故障は、熱とは関連性が低いというデータがあるのです。
では、本当の故障原因とは何なのでしょうか。
HDDの故障原因は「熱」よりも「湿度」?
HDDの故障原因は長年、熱が主なものであると信じられてきました。私も実際、ストレージの温度管理には気を使ったものです。
しかし、この法則が当てはまらない可能性がでてきたのです。2016年にある海外の研究グループが発表した論文によれば、HDDの故障原因は室温や温度変化ではなく「相対湿度」である可能性が高いとのこと。
湿度が高いとアダプタやコントローラが異常を起こし、これにつられてHDD本体も故障するのだそうです。これは個人用PCを調査した結果ではなく、データセンターにある大量のサーバーを1.5年から4年の間調査した結果です。
つまり、個人用途のPCよりも圧倒的に調査対象が大きく、対象となったHDDも100万代以上に達します。
厳密に言えば「温度が全く関係ない」ということではないのですが、他の要因に比べれば影響はかなり小さいと考えられるとのこと。温度よりも湿度。なかなか斬新な結果ですが、私としても思い当たる節があります。
HDDは冷やしても故障率は変わらない?
私は運よくHDDの故障にはあまり遭遇しなかったのですが、それでも幾度か故障を経験しました。その中で感じたのは、「どんなに冷やしても、壊れるときは壊れる」という、一見当たり前のことです。
特に空冷の環境では、必ずストレージ部分にエアフローがぶつかるように配置していていました。それでも、適当に組んだサブマシンや、安い中古ノートPCが稼働し続ける中、メインPCのHDDは故障してしまうのです。
そのため実際には熱よりも、振動や使用頻度のほうが故障に影響するのだろうと、なんとなく感じるようになりました。湿度に関してはノーマークだったため正確な記憶はありませんが、温度よりも影響が大きいという結果は、何となく体感と一致するのです。
熱対策が重要なことに変わりはない
しかしながら、熱を弱点としているパーツはCPUやGPU、メモリなど多岐にわたります。また、「サーマルスロットリング(熱暴走を回避するために一定以上の温度で性能を下げる)」があるため、熱が性能低下の原因になることも事実です。
つまり、HDDの故障原因にはならなくとも、熱処理は依然として重要であることに変わりは無いのです。HDDからSSDへ、さらにM.2SSDへとストレージが移行している今、熱対策は決して無駄にならないでしょう。