現在のCPUに実装されている主要な命令

※当ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

CPUは「命令」の塊です。IntelとAMDの最新のCPUには、パフォーマンス向上や多様なアプリケーションのニーズに応えるために、さまざまな命令セットが実装されています。

しかし、物理的な構造は言えても、命令についての知識を持つ方は少ないですよね。そこで今回は、現在のCPUに実装されている主要な命令をまとめてみました。

CPUに実装されている主要な命令一覧

これらの命令は、並列処理で高い計算力を提供するために使われます。特に、AVXはSSEの拡張で、256ビット幅を持つレジスタを利用し、多数のデータを同時に処理可能です。

最新のIntelとAMDプロセッサは256ビットのAVX2や512ビットのAVX-512をサポートし、科学技術計算やAI処理の効率が向上しています。

Intelの新しい命令セットで、AVX-512に代わりAVX10が導入され、128ビットから最大512ビット幅の操作をサポートします。

将来的にIntelとAMDの命令セットの互換性を高める可能性もあります。

BMI1およびBMI2は、特にデータ処理や暗号化で効率を高めるためのビット操作に特化した命令です。

AMDとIntelのどちらもサポートしており、Zen 3以降のAMD CPUと、Haswell以降のIntel CPUで利用可能です。

暗号化処理を高速化するための命令で、AESを迅速に実行できます。IntelとAMDの両社がサポートしており、データ保護やセキュリティ関連の処理で利用されています。

特にAIや機械学習用の処理効率を高める命令セットです。IntelのAlder Lake以降とAMD Zen 4以降のCPUでサポートされており、ディープラーニングの推論速度が向上します。

ゲームの分野では、特に以下のような命令が有効なようです。

SSEとAVXは、複数のデータを一括処理（SIMD処理）するために設計され、グラフィック処理、物理演算、3Dレンダリングなどで多用されます。

SSEは128ビット幅を持ち、AVXは256ビットや512ビット幅まで対応。高精度の3Dゲームレンダリングやキャラクターの動作シミュレーションなどで重要な役割を果たします。

AVX2やAVX-512は、さらに多くの浮動小数点演算を同時に処理するため、リアルタイムのゲームにおける処理速度が大幅に向上します。

FMA命令は、乗算と加算を同時に行うことで、グラフィック処理や物理シミュレーションにおいて浮動小数点計算の精度と速度を高めます。

キャラクターの動きや物体の衝突判定といったリアルタイム演算にとって重要です。

例えば物理エンジンが動作する際、FMA命令により複雑な力学や動力学計算が迅速に行われるため、より滑らかなアニメーションとリアルな動作が可能になるのです。

近年のゲームに多用されるAIや機械学習を利用したゲームキャラクターの動作や、意思決定アルゴリズムを高速化する命令です。

特に推論の最適化に効果があり、NPC（ノンプレイヤーキャラクター）や敵のAI動作をリアルタイムで処理するのに役立ちます。

最新のIntelとAMD CPUは、AI推論での効率を高めるAVX-VNNIを搭載しており、ディープラーニングベースのゲームAIがリアルタイムで高い精度を持って動作します。

AES-NIはデータの暗号化と復号化を高速化し、特にオンラインゲームでのセキュリティを向上させます。データ保護やチート対策のためにリアルタイムでの安全な通信を必要とするゲームに有効です。

オンライン対戦ゲームでの通信の暗号化に使用され、AES-NIにより遅延を最小限に抑えた安全なデータ送受信が可能となります。

このようにCPUに実装されている命令は多岐にわたり、命令が進化するとともに性能も向上しています。

あまり触れることがない知識ですが、CPUの世代交代の際にはちょくちょく出てきますので、興味がある方はチェックしてみてください。