64コアCPUでAMDがCPU市場のリーダーに?

2017年から激化し始めたIntelとAMDの「CPU戦争」は、2019年以降も続いていくとの見方が強まっています。なぜなら、過去10年近くIntelの後塵を拝していたAMDが、その勢いを加速させているからです。

特にメニーコア化が当たり前になり、AMDの強みがどんどん発揮されるようになりました。今回紹介する「64コアCPU」も、AMDの勢いを象徴するもののひとつでしょう。

AMDが発表した「64コアCPUのZen2」

AMDは2019年中に「7nmプロセスのZen2」をベースとしてCPU「Rome」を市場投入する予定だと発表しました。

現行(2018年11月時点)のCPUは、12nm~14nmプロセスが主流です。また、ライバルのIntelでは10nmプロセスの開発で問題を抱えていることから、プロセスルールの微細化が進んでいません。

一方、AMDでは、着々とプロセスルールの微細化を進めており、7nm(Intelの10nmに相当)のCPU・GPUを量産目前にまでこぎつけています。7nmプロセスのZen2を採用したCPU「Rome」なら、物理コア数は「最大64個(128スレッド)」になるようです。

2018年11月時点では「Ryzen Threadripper 2950X」の「16コア32スレッド」がメニーコアCPUの最高峰ですから、飛躍的な伸びを遂げることになります。

さらにZen2のRomeでは、浮動小数点計算の性能が2倍になるとされており、「物理コア数4倍、計算性能2倍」という未来が見えているのです。これは、ゲーミングPCの性能もさらに高い次元へと導きそうですね。

コア数については「CPUのクロック数、コア数の見方」で解説しています。

AMDがIntelを技術力でリード?

プロセスルールの微細化は、1クロック当たりの計算性能、物理コア数の増加、省電力化などにつながりやすいものです。つまり、プロセスルールの微細化で先行した企業こそが、次の覇権を握ると言っても過言ではありません。

AMDの7nmプロセスはIntelの10nmプロセスとほぼ同水準の技術とみられているものの、AMDのほうが一足先に微細化を成功させるのは間違いないでしょう。

過去10年間を振り返ると、常にIntelはプロセスルールでAMDをリードしてきました。そのため、この「逆転現象」は非常に興味深い事態ですね。2019年以降は、「Ryzenシリーズが常にCPUのトップに君臨する」という事態が現実味を帯びています。

Ryzenがより強力な「ゲーミングCPU」になる?

AMDのRyzenとIntelのCoreシリーズを比較すると、ゲーム用途ではややCoreシリーズが有利か、という状況にあります。

しかし性能的な差はほとんどなく、ハイエンドの頂点はAMDの「Ryzen Threadripper」がけん引しているという状態です。AMDが7nmプロセスのCPUを本格的に量産・販売すれば、通常のRyzenシリーズも刷新されていくでしょう。

物理16コアCPUはミドルレンジになり、当たり前のようにBTOモデルに組み込まれていく。そんな時代が目の前に来ているのかもしれません。