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私は昔からよくPCに関する相談を持ち掛けられるのですが、よくある相談の中に「このPCでこのゲーム動く?」という実に抽象的な問いがあります。
正直なところ、動かしてみなければわからないことが多いのですが、大半は「動くけど満足に遊べないよ」と回答します。
なぜなら、こういった質問をしてくる人の多くが「スリムタイプのビジネス用モデル」を使用しているからです。
しかし、ロープロファイル版のGPUを載せることができれば、そこそこのゲーミングPCに生まれ変わらせることが可能です。
ロープロファイル版とは?
簡単に言うと「高さ」(PC本体でいえば幅)をおさえて、スリムタイプのPCでも搭載できるように加工されたGPUです。
スリムタイプのPCは幅がせまいため、通常のGPUであればケースに干渉し、載せることができません。
しかしロープロファイル版は基盤自体を小さく加工していり、ファンやクーラー部分を最低限にしたりといった工夫により、高さを抑えています。
そのため、スリムタイプのPCにも後付けで載せることができ、ゲーミング性能を大幅にアップさせられるのです。
ただし、一般的にロープロ版のGPUは「ローエンド帯」のモデルに限られます。そのため、GPUの選択肢には著しい制限がかかることを覚えておきましょう。
2020年1月時点のロープロ版GPU
現時点での現役モデルでは、「GTX1050」「GTX1050Ti」「GTX1650」の3種類でロープロ版GPUが発売されています。
中古市場を漁れば「GTX750Ti」あたりも格安(数千円)入手可能ですが、価格性能比からいって上の3つのどれかを購入すべきでしょう。
そこで、「GTX1050」「GTX1050Ti」「GTX1650」について、主な仕様と平均価格、代表的なロープロ版製品を整理してみました。
GTX1050
CUDAコア数 | 640 |
メモリ | GDDR5 2GB |
プロセスルール | 14nm FinFET |
TDP | 75W |
平均価格 | 17000円前後 |
代表的な製品 | MSI GTX 1050 2GT LP |
GTX1050Ti
CUDAコア数 | 768 |
メモリ | GDDR5 2GB |
プロセスルール | 14nm FinFET |
TDP | 75W |
平均価格 | 14000円前後 |
代表的な製品 | 玄人志向 GF-GTX1050Ti-4GB/OC/LP |
GTX1650
CUDAコア数 | 896 |
メモリ | GDDR5 4GB |
プロセスルール | 12nm FFN |
TDP | 75W |
平均価格 | 18000円前後 |
代表的な製品 | MSI GeForce GTX 1650 4GT LP |
このように価格は大差ないものの、GTX1650はさすがに新製品だけあってスペックは最も良いという結果になりました。
また、当然のことながら性能もGTX1650が優れています。簡単に比較すると3DMark Time Spyでの実測値では、GTX1650を100%とした場合
・GTX1050Ti…約68%
・GTX1050…約54%
という結果になります。やはりCUDAコア数やメモリ量、動作クロックの差が大きいようですね。ロープロ版GPUを買うなら、間違いなくGTX1650一択と言えます。
18000円の追加で「簡易ゲーミングPC」が入手できる
もし今使っているスリムタイプPCの電源が300Wあり、第三世代~第四世代のIntel製CPUや、同世代のAMD製CPUを搭載しているなら、GTX1650を追加するだけでゲーミングPC化が可能です。
GTX1650は、この性能でありながら補助電源が不要であり、250W程度の電源でも動作してしまいます。予算はないけどゲームがしたい!と言う方には、真っ先におすすめできるアップグレードパスですね。