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GPUにサウンドボード、NVMe SSDなど、PCIe接続のパーツはいくつかあります。こうしたパーツの追加では、「PCIeレーン数」を気にする必要がありますよね。
PCIe接続のパーツ群は、レーン数をオーバーすると動作が制限されるからです。では、このPCIeレーン数、どのように計算すればよいのでしょうか。
PCIeレーンの基礎知識
まず、PCIeレーンの基礎知識から解説します。
PCIeは、CPUとチップセットの2か所に内蔵されており、それぞれにPCIeコントローラが配置されています。
また、CPUとチップセットはそれぞれ一定の「レーン」を持っており、これを使用してPCIe接続の外部機器と接続しています。
・CPU側のPCIeコントローラが提供するPCIe⇒GPUなど高速通信が必要な機器に使用
・チップセットが提供するPCIe⇒SSDやサウンドボードなど比較的通信速度が遅い機器に使用
CPU側のPCIeレーン数とチップセット側のPCIeレーン数は、グレードによって異なり、グレードがあがるほどPCIeレーン数も増えていくのが一般的です。
そこで、一般的なPCIeレーン数の計算方法を、Intel製チップセットを例にしながら紹介します。
PCIeレーン数の概算
2020年時点でメジャーなチップセットをもとに、PCIeレーン数の概算を出してみます。
ちなみにレーン数は「PCIe3.0×〇」の〇の部分に入る数字の数です。この数の範囲内であれば、接続機器が性能を制限されることなく使用できると考えてください。
Intel400シリーズチップセット
・CPU側(Comet Lake-Sシリーズ)⇒PCIeレーン数16(PCIe 3.0×16)
CPUのPCIeレーンは、一般的にGPU専用です。一般的なグレードであれば、PCIe3.0×16接続のGPUが普通ですから、CPUのPCIeレーンはすべてGPUで消費されます。
Intel製のCPU側に16レーン以上を求めるのであれば、末尾「X」「XE」のシリーズを使う必要がありますね。PCIeレーンが44・28というモデルがあります。(Core i9-10940Xなど)
チップセット側のPCIeレーン数
Z490⇒最大24レーン
H470⇒最大20レーン
Q470⇒最大24レーン
W480⇒最大24レーン
B460⇒最大16レーン
H410⇒最大6レーン
エントリーモデルのH410は最大6レーン、ミドルレンジのB460は最大16レーンです。
仮に「GPU+M.2 SSD(NVMe接続で、PCIe3.0×4表記)」という構成であれば、チップセット側は4レーンのみあればよいので、H410でも問題ありません。
AMDでも計算はほとんど同じです。ただしAMDの第3世代RyzenおよびX570チップセットなどは、PCIe4.0世代のレーンを持っているため、より高速な通信が可能になっています。
・第三世代Ryzen⇒PCIe4.0×16レーン
・X570チップセット⇒PCIe4.0×16レーン
M.2 SSDなどをより高速なPCIe4.0×4などで接続する場合には、X570チップセットのほうが速度が出やすいでしょうね。
通常使用ではあまり気にする必要がない
「グラボ1枚+SSD」程度の使い方であれば、PCIeレーン数はあまり気にする必要がありません。
ただし、GPUの2枚設置やPCIe接続のSSD増設、サウンドカード、キャプチャボードを設置する場合は注意する必要があるかもしれません。
普通は空きスロットの通りに設置していけば問題ありませんが、頭の片隅にPCIeレーン数のことも覚えておく程度で良いでしょうね。