どうなるAVX-512問題!IntelとAMDの対応まとめ

2021年~2022年にかけて、CPU界隈を「AVX-512」に関する話題が駆け抜けました。AVX-512とはCPUの命令セットの一種ですが、これが使えるかどうかで動画編集や機械学習の効率が変わってきます。

ゲーム用途にも今後、影響が出るかもしれません。そこでAVX-512に関するIntelとAMDの対応をまとめてみました。

そもそもAVX-512とは何か

まず、AVX-512について簡単に説明しますね。

AVX-512とはCPU内部で用いられる命令セットのひとつです。主にIntel製CPUで用いられており、拡張命令セットのひとつとして実装されていました。

ちなみに命令セットとは、CPUなどのマイクロプロセッサを動作させるための命令方法のひとつであり、機械語(マシン語)の仕様を定めたものです。

一般的にマイクロプロセッサは機械語によって、どのようなコードを与えると動くかを決められますが、その中にはさまざまな値や条件が埋め込まれています。

こうした値や条件を含み、機械語による命令をひとつのまとまりにしたものが命令セットです。命令セットはCPUにとっての共通言語であり、サポートするCPUであれば、メーカーや世代が違っても同じ動作をさせることができます。

AVX-512は、Intelが2013年に投入した命令セットであり、一般向けのCPUでは第6世代のSkyLakeで初登場しました。

もともとAVX2という命令セットを使用していたのですが、AVX2では浮動小数点と整数の演算が256ビットまでであったのに対し、倍の512ビットまで対応するようになりました。

これが一体何に役立つかというと、具体的にはディープラーニングやデータ圧縮、エンコード処理、暗号化などが代表的ですね。

動画エンコードなんかですと、AVX-512に対応しているソフトを使うと10%程度時間が短縮できます。ただ、消費電力がそれ以上に大きくなるのでちょっと微妙ですが…。

いまのところ、ゲーム分野で明確にメリットがあるわけではないのですが、エミュレーターの一部でFPSを上げる効果が確認されていますので、今後は恩恵があるのかもしれません。

AVX-512問題の概要

このAVX-512ですが、Alder Lake-Sでも対応できるものの、Eコアを無効にしなければならないという問題がありました。

しかしその後にBIOSアップデートでAVX-512自体を無効にし、さらには2022年以降の出荷ロットでは物理的に無効化を施すなど、「一般向けCPUでは使わせない」意向を示しています。

これに対して一部のユーザーが不満の声を上げていましたね。それもそのはずで、もともとAVX-512が使える仕様だったCPUが途中から使えなくなるわけですから、ちょっと納得できないのも頷けます。

ちなみに第13世代ではデフォルトでAVX-512に対応しないことが発表されているため、INTELの一般向けCPUでAVX-512を使える時が来るのは当分先かもしれません。

AMDではZen4でAVX-512に正式対応予定

一方、ライバルのAMDではこれ幸いとZen4からAVX-512に正式対応することが決定しています。

具体的にはRyzen7000シリーズから対応とのことですが、Intelが正式対応をやめたことを逆手にとって、違いをアピールしたいのかもしれませんね。

今後しばらくはAVX-512を使いたい場合、AMD製のCPUが選択肢となりそうです。個人的にはAVX-512が無くてもゲーム用途では全く困らないのですが、動画編集まで含めると考えものですね。

AVX-512に関しては数年ごとにIntel、AMD両社がそれぞれ異なる見解を発表するので、継続的に見守っていきたいところです。