超高速ネットワークストレージ「NVMe-oF」は導入するべきか

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PCゲーマーの中には、ストレージにNASを使用している方もいると思います。

私も大容量なファイルはNASに保存するようにして、なるべくPC本体には置かないようにしていますね。

しかし、NASは容量はともかくとしてデータ転送速度が遅いことがあり、その点で使い勝手が微妙だと感じることも多いでしょう。

こうしたNASの弱点を克服したツールとして、「NVMe-oF」があります。果たしてNVMe-oFは導入すべきなのでしょうか。

NVMe-oFとは?

NVMe-oFとは「NVMe over Fabrics」の略称で、2017年頃に登場したネットワークストレージ向けの技術です。

ネットワークスとレージ向けの接続技術としては、「NAS」や「iSCSI」などが代表的でしたが、いずれもSSDの能力を最大限に発揮できるものではありませんでした。

そこで注目されているのがNVMe-oFで、iSCSIよりも4~5割のパフォーマンス向上が見込めるというデータが示されています。

ちなみにiSCSIの最大転送速度は10Gbit/sとされていますが、NVMe-oFでは理論上30~100Gbit/sが可能になるようです。

それまでHDDをメインにネットワークストレージを構築していたとすると、数十倍の読み書き速度を実現するのも夢ではなさそうですね。

内蔵ストレージと大差ない使用感を、ネットワークストレージでも得られるということになります。

NVMe-oFはゲーミングPCに合うか?

もともとはサーバー用途を想定しているため、一般的な個人向けPCに適した技術とは言い難いでしょう。

しかし、そもそもNASも個人用途に降りてくるまでには時間がかかりましたし、近い将来、個人が手軽に利用できる日がくるかもしれません。

そもそもNVMe-oFは異なるネットワークに属するNVMe SSDにアクセスするためのアーキテクチャですから、原理的にはNASやiSCSIと大差ありません・

しかし、使用するためにはNVMe-oF対応のSSDや専用のソフトウェアが必要で、これらはまだ個人向けに展開されていないのです。

もしこれらが個人向けに降りてくれば、超小型PCの中に最低限のリソース(CPU、GPU、メモリ、ストレージ)だけを置いて、データ保管用のストレージは全てネットワークに置くことが出来ます。

もちろん、ネットワークストレージにデータを置いても、超高速かつ低遅延なデータ転送によって内蔵ストレージと何ら変わりない使用感を得られるのです。

私は2018年頃にNVMe-oFを知りましたが、まだまだデータセンター向けのソリューションばかりで個人向けPCには展開されないようなので、心待ちにしています。

おそらくですが、個人向けはかなり高額になり、「コスパが悪い」という評価になるかもしれません。しかし、ゲームクライアントのファイルサイズが肥大化し続ける今、内蔵ストレージにすべてを詰め込むことは非効率です。

何より、NVMe SSDをいくつも搭載すると、熱源が増えることでPCの寿命が縮まりかねませんからね。NVMe SSDのネットワークストレージ化は、PCゲーマーにとっても恩恵があることなのです。

NVMe SSDは年々安く、手軽になっている

ネットワークストレージ化はまだ先のことだとしても、すでにNVMe SSDは高根の花ではなく、十分に実用的な価格になっています。

個人的にはどうしても数千円の予算を節約したい場合を除いて、SATA SSDを選ぶ理由がないかな…と感じるほどです。

ゲーミングPCに限って言えば、HDDの出番はとうになくなり、「OSとアプリケーション本体はNVMe SSD」「アプリケーションデータやその他のデータはSATA SSD」という住みわけが最適だと思っています。

熱に関しても1台ならば問題なく使用できるレベルですし、NVMeへのアップグレードはぜひ検討すべきだと思いますよ。