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CPU業界の王者であったIntelが2番手AMDのRyzenによって窮地に立たされたのが2018年ころでした。
以降、第12世代Coreシリーズが出るまで、AMDはIntelの牙城を脅かすほどまでに成長。
しかし、会社の規模としてはIntelが圧倒的に大きいことに変わりはありませんでした。しかし、2022年に入り、AMDが急成長しています。
時価総額でIntelを逆転したAMD
2022年8月に行われた第二四半期の発表によれば、Intel社は業績不振から株価が10%以上下落。
逆にAMDは好調であり、AMDが時価総額でIntelをついに逆転しました。時価総額は発行済み株式数×株価で計算され、ざっくりいえば会社の価値を表す言葉です。
株価は常に変動しますから、時価総額=会社の実力とは言いにくいのですが、それでもAMDがIntelを逆転したのは歴史的な事件です。
私はIntelとAMDの競争を20年ほど前から見ていますが、製品の性能でAMDがIntelを上回ったことはあっても、会社として逆転することは無かったように思います。
なぜこのような事件が起こったのか、順に見ていきましょう。
サーバー市場で好調なAMD
IntelとAMDといえば、PCゲーマーの中ではゲーミングPC用のCPUメーカーという認識かもしれません。
しかし、どちらもサーバー向けCPUの売上が非常に大奥、全体の割合で言えばデスクトップPC向けの売上は小さいのです。
このサーバー向け市場でAMDが躍進を続けています。例えば、データセンター向けのサーバーCPU市場では、AMDが売上83%アップ、対するIntelは16%ダウンとのこと。
デンターセンター向けサーバー市場は非常に利益率が高く、この市場で勝つことはCPUメーカーとして成功の証です。
そもそもサーバー向け市場はIntelが創った市場なのですが、AMDも着々とシェアを拡大していて、最近ではメニーコア化で一歩先を行くAMDの評価が高まっていました。
内蔵GPUではAMDが完全に勝利
また、CPUにGPUを内蔵した統合型チップではAPUに代表されるAMDの技術が光ります。
AMDはATIテクノロジーズを吸収したことでGPUにも強みを持っていますから、CPU+GPUという組み合わせではIntelの先を行っているわけです。
もちろんIntelも黙っているわけではなく、ARCという独自のGPUを開発しました。しかしARCは正直なところ成功とは言い難く、内蔵GPUでも独立GPUでもAMDには及ばない状況です。
PC以外の市場でも躍進するAMD
あまり知られていませんが、最近では車関係のCPUにもAMDの製品が使われています。
載用のコンピュータ市場でRyzenが躍進しているため、このことが業績好調の一因になっているようです。
車関連はこれからどんどん自動化や効率化でCPUが必要になるでしょうし、AMDがこの市場に食い込んだのは正解ですね。
一般向けCPUではまだまだIntelだが…?
第12世代Coreシリーズの出来が非常によかったため、Ryzenの猛追を振り払うことに成功したIntel。
しかしデスクトップ向けやノート向けといった一般向けCPU以外の分野では、AMDにじりじりと差を詰められているようです。
そもそも時価総額で上回ったということは、総合力でAMDが上と見ることもできます。AMDが評価されるとともに市場シェアも大きくなり、より良いCPUが出てくる可能性も高いでしょう。
もしかしたら10年後には今のIntelとAMDの立場が逆転しているかもしれませんね。