ゲーミングPCに「拡張性」はもういらない

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一昔前はゲーミングPC購入時のチェックポイントに「拡張性」がありました。私も拡張性を重視したPC選びを重ねてきましたし、今でも重視する人は多いと思います。

しかし、もうゲーミングPCに拡張性はいらないのかなと感じていることも事実です。今回はその理由をまとめてみました。

拡張性とはそもそも何か?

ゲーミングPCにおける拡張性とは、具体的に言えば以下4つです。

PCIeスロットの数

PCIeスロットは×16がエントリークラスのマザーボードでは1個ですが、ハイエンドクラスになると2個以上ついていることもあります。

ここにはGPUをはじめとした拡張カードをさすため、拡張性を語るときには外せない部分。

メモリスロットの数

メインメモリを挿すスロットの数は2~4本が基本でしょうね。4本が最もポピュラーですが、メモリモジュールの大容量化によって2本でも十分になってきました。

ファン設置ポイントの数

マザーボード上のファンコネクタと、PCケース内部のファン設置ポイントの数で冷却性能の上限が決まります。

当然ながら少ないよりは多いほうが良いのですが、PCの冷却性能はファンの数と正比例するわけではないため、他を犠牲にしてまで増やすべきかと問われると微妙です。

PCケース自体の大きさ

PCケースが大きいと内部のスペースに余裕が生まれ、大型のパーツ(特にGPU)を搭載しやすくなります。また大型ファンの設置で静穏性と冷却性能を両立しやすいこともポイントです。

なぜ拡張性は不要なのか

上記4つのポイントは、ほんの数年前までは重視する人が多かったと思います。実際、私も6年前に購入したPCでは上の4つを重視していました。

しかし、今はどれもさほど重要ではないと感じています。まずPCIeスロットですが、サウンドボードやLANカードを追加しない限り、1本でも何ら問題ありません。

近年はマザーボードに標準で搭載されているサウンドチップやLANコネクタの品質があがり、特に別付けしなくても十分な性能を出せるようになりました。

また、NVMe SSDの追加については専用のスロットが設けられることが多いため、あまり考える必要はないでしょう。となれば、GPUぐらいしか追加するものがありません。

GPUはもはや、一般的なPCゲーマーなら1基で十分以上の性能を持つ時代です。2枚以上のGPUを必要とするのは、マイニングや高度な分析・計算を必要とする人々のみです。

同じことはメモリスロットにも言えます。1枚で16GB以上の容量を追加できるため、2個以上のスロットは「無用の長物」になりがちです。16GBで何ら不満が生じない無い現状では、メモリスロットを2個以上備える必要性を感じません。

さらに、ファンの設置ポイントは3つあれば十分です。フロントに大型のファン1個、リアに1個、あとはケース上部か底部に1個追加すれば、ミドル~ハイレベルの構成でも熱処理の問題は起こり得ません。

PCケースについても、マイクロATX以上の大きさはもはや必要ないと言って良いでしょう。すべてのパーツが低電圧化・高性能化している今、ITXサイズのケースでも十分な性能を確保できるからです。

重視すべきは拡張性よりも品質

以上のことから、「拡張性よりも品質」に重きを置いたゲーミングPC選びが吉だと考えています。

ほとんどのPCユーザーはPCパーツのピーク性能を使い切ることなく、新しいPCに買い替えます。となれば、できるだけ壊れないPCを選ぶべきでしょう。

もはやCPUやGPUの性能はPCゲーマーの要求をはるかに上回るレベルになっており、わざわざ拡張性を考えなくても十分以上の性能をもっているわけですからね。