※当ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
PCの性能や安定性を大きく左右する「マザーボード」。
その中でも、CPUへの電力供給を管理する「VRM(Voltage Regulator Module)」は、PCが正常に動作するために欠かせない重要なパーツです。
マザーボードの仕様を見ると、「12+2フェーズ」といったVRMのフェーズ数に関する表記を目にすることがあるかと思います。
この「12+2」という表記が何を意味し、どのような役割を果たしているのかをご存じですか?
ここでは、フェーズ数が多いことで得られるメリットや、なぜこのような表記方法が用いられるのかについて説明します。
VRMとは?その役割について
VRM(Voltage Regulator Module)は、マザーボード上に配置される電力調整モジュールのことを指します。
PC内部ではCPUやメモリ、グラフィックカードといった部品が一定の電圧で動作する必要があります。しかしPCの電源ユニットから供給される電力は一般的に12Vや5Vなどの高い電圧です。
VRMは、この高い電圧を各部品が必要とする低い電圧(例:1.1V~1.3Vなど)に変換する役割を担っています。
さらに、VRMはただ電圧を調整するだけでなく、電力の供給を安定させる役割も果たしています。
特にCPUは、負荷がかかると一時的に電力需要が急増するため、VRMが瞬時に安定した電力を供給することで、動作の安定性を確保します。
そのため、VRMの性能は、PC全体の安定性やオーバークロック時の耐久性に直結するのです。
フェーズ数が多いことによるメリット
VRMは複数の「フェーズ」と呼ばれる回路の組み合わせで構成されています。各フェーズは、電力を分割して供給する役割を果たします。
フェーズ数が多いと、以下のようなメリットがあります。
電力供給の安定化
フェーズ数が増えることで、各フェーズが分担する電力負荷が軽減されます。電力供給がより安定し、CPUが高負荷時でも安定して動作します。
発熱の抑制
各フェーズが分担して電力を供給するため、一つ一つのフェーズの負担が減り、発熱が抑えられます。VRM全体の寿命が延び、オーバークロック時の安全性も向上します。
オーバークロックの性能向上
高性能なCPUを使用する場合やオーバークロックを行う場合、安定した電力供給が重要になります。
フェーズ数が多いほど電圧のリプル(変動)が減り、CPUが高いクロックで動作する際も安定性が向上します。
効率の向上
フェーズごとの負担が軽減されることで、VRM全体の電力変換効率が向上します。無駄な電力消費が抑えられ、システム全体の効率性が高まります。
「12+2フェーズ」の意味とその役割
マザーボードのVRMフェーズ数が「12+2」と表記される場合、この数値は次のような意味を持ちます。
12の部分
CPUに電力を供給するためのフェーズ数を指します。CPUの安定性を確保するための主要なフェーズであり、VRMの中でも最も重要な数値です。
フェーズ数が多いほど、CPUへの電力供給がより安定し、高負荷時のパフォーマンスが向上します。
2の部分
その他の部品、たとえば内蔵GPU(iGPU)やメモリ制御用に使用されるフェーズを指します。これらはCPUほど高い電力需要がないため、比較的少ないフェーズで対応しています。
なぜこのような表記になるのか?
VRMは複数のフェーズを持つことで効率的に電力を供給しますが、CPUとその他の部品に必要な電力の量が異なります。
そのため、VRMの設計では、CPU用のフェーズが最も多く割り当てられます。
表記が「〇+〇」という形式になるのは、CPUとそれ以外の部品(GPUやメモリなど)の電力供給フェーズを分けて示しているためです。
たとえば、「12+2」という表記の場合、12フェーズがCPU用、2フェーズがその他の部品用として設計されていることを意味します。
この分け方により、マザーボードがどのように電力を管理しているのかをユーザーに明確に伝えることができます。
まとめ
マザーボードのVRMは、CPUやその他の部品に安定した電力を供給するための重要な役割を担っています。
フェーズ数が多いほど、電力供給が安定し、発熱や負担が軽減され、PCの安定性やパフォーマンスが向上します。
また「A+Bフェーズ」のような表記は、CPU用のフェーズとその他の部品用のフェーズを系統別に分けた表示であり、それぞれが役割を分担していることを意味します。
VRMのフェーズ数が多く、系統別に分けて管理されていることで、よりPC全体の安定性が確保されるというわけですね。特に高負荷状態での長時間使用やオーバークロックを検討している場合は気にしてみてください。