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CPUというパーツの役割は何となく知っているものの、正式名称やCPU性能が高いことの恩恵を正確に知っている人は意外と少ないものです。
しかし自作PCやBTOパソコンを本格的に組み上げるなら、CPUについてはできるだけ多くの知識を持っておきたいところ。トラブルシューティングやカスタマイズに役立ちますからね。
そこで今回は、CPUの基礎的な知識についておさらいしておきます。
CPUとは脳であり熱を持ち電気で動く
CPUはよく人間の脳に例えられますが、正式名称は「中央演算装置」といいます。PCの内部で行われるあらゆる処理はCPUが絡むため、このCPUの性能が高いほどPC自体のパフォーマンスもあがっていくわけです。
一般的にCPUは、性能が高くなるほどに多くの電力を必要とし、発熱量も上がっていきます。また、製造プロセスが小さいほど性能が高くなり、少ない電力で効率よく動くようになります。
10年前は65nmプロセスが主流でしたが、現在(2017年)は14nmプロセスが主流となり、性能が大幅に向上すると同時に発熱の低さや省エネ性能も進化してきました。
そのため、性能が高いほどに発熱や省エネ性も上がると勘違いする方も多いかもしれません。しかしあくまでも基本は「高性能=発熱と電力の増加」であり、現在のCPUはこの10年間あまりにも急激に進化したために、この基本を上回っている状態にあるのです。
その証拠に、同世代の同シリーズ間で比較すると、性能が高いほどにTDPが高くなっているのがわかると思います。
コアの数が多い=早いではない
マルチコア化が進むCPUですが、コアの数が処理速度に影響すると考える方も多いでしょう。しかし、マルチコア化はどちらかというと「遅くならない」ための技術です。
シングルコア時代は、クロック周波数がどれだけ高くても複数の処理を同時に行うと処理速度が低下し、すぐにフリーズしてしまいました。しかしPCを使う人が増え、その用途もどんどん拡大していく中で、頻繁にフリーズしていては使い物になりません。
一部のサーバーではデュアルCPUなどが採用されていましたが、市販のPCでそこまでのものはありませんでした。そこで、CPUが同時に複数の処理を平行して進められるよう「デュアルコア」が登場しました。
また、1つのコアで軽い処理を複数同時に進められるよう「HT(ハイパースレッディング)」も一般化し、1コアあたり2スレッドという今の形式が出来上がったのです。
しかし、ゲームやソフトウェアの中には、マルチコアの恩恵を受けないものもまだまだ沢山あります。特にMMOではコア数よりも単純な動作クロック周波数の高さが重要になることが多く、Core i7よりもCore i3のOCが有利になることもあるくらいです。
CPU発売直後は少し様子見が吉?
よく「人柱報告」という書き込みを見かけますが、これは新製品をいち早く試し、不具合や性能の良さをレビューしているものです。
CPUは世代によって重大なバグを持っていることもあり、発売後すぐに購入するのは得策とは言い難いでしょう。
Ryzenでもメモリ周りとのシビアな相性問題がありましたし、IntelのSkylake世代でも内蔵グラフィックにおける重大な不具合がありました。
私はこれまでの経験から、対応マザーボードがそれなりにリリースされ、不具合修正がひと段落した時期に購入するようにしています。
期間にして発売から3か月~半年ですかね。これでも現在のCPUの性能から考えると、十分すぎるほどに恩恵を受けられます。参考にしてみてください。