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第3世代Ryzenで大攻勢をかけるAMDに押され気味のIntelですが、ハイエンド帯に意欲的なモデルを投入してきました。
現行世代の最上位ともいえる「Core i9 9900KS」です。期間限定の特別モデルとの触れ込みですが、全てのコアが5GHz動作するとあり、ゲーマーの注目を集めています。
私も個人的に興味をそそられたので、スペックや性能について調べてみました。
Core i9 9900KSのスペック
Core i9 9900KSのスペックは下記のとおりです。
コードネーム | Coffee Lake(第9世代) |
プロセスルール | 14nm |
ソケット形状 | LGA1151 |
コア数、スレッド数、動作周波数 | 8コア16スレッド、4~5GHz動作 |
TDP | 127W |
内蔵GPU | Intel UHDグラフィックス630 |
価格 | 66000円前後 |
スペックだけを見ると、9900Kと大差ないように見えますが、何といっても全コアが5GHzで動作するとのことで、処理性能が向上していることは確実です。
これまでのi9モデルでは、ターボブースト状態で1コアのみ5GHz動作するものの、全コアレベルで見ると4.3~4.7GHz動作が一般的でした。具体的には、Core i9 9900が4.3GHz、Core i9 9900KFおよびCore i9 9900Kが4.7GHzです。
ただし、TDPが127Wへと大幅に上昇していることから、何よりも処理性能を重視したいヘビーユーザー向けのCPUになっています。
Core i9 9900KSの処理性能は?
すでにCore i9 9900やCore i9 9900Kとの比較ベンチが発表されており、その内容は以下のとおりです。
Core i9 9900を100とした場合
Core i9 9900K | 107.2(7~8%の性能差) |
Core i9 9900KS | 109.9(約10%の性能差) |
複数のベンチマークソフトの中から、最も性能差が大きかったものをピックアップすると、i9 9900比で約10%、i9 9900K比で3%程度です。
しかし、9900はTDPが65W、9900Kは95Wであることを考えると、消費電力に見合った性能であるとは言いにくいかもしれません。ギリギリの性能を求めるトッププレイヤー向けの製品なのでしょうか。ちなみに9900Kとの価格差は約1万円。
3%の性能向上のために1万円を投入するのは、少しもったいない気がします。また、127WものTDPを支えるには、CPUクーラーを始めとした冷却機関の整備が必須です。
CPUクーラーはTDP120Wを超えたあたりから急激に選択肢が無くなるため、一部の巨大CPUクーラー以外は対応できない気がします。
このように冷却機関を更新する費用も考えると、当然1万円だけでは済まなくなり、最終的には2~3万円の価格差があると考えて良いでしょう。
そもそもシングルスレッド性能は上がっていない
また、最も注意すべき点として、シングルスレッド性能は更新されていないという点があります。今回の性能差はあくまでもマルチスレッド環境におけるものであり、シングルスレッド性能自体は9900および9900Kとほぼ同等です。
9900も9900Kもターボブースト環境で1コアのみ5GHzになるため、当然といえば当然なのですが、やはり目新しさに欠けますよね。
9900KのOCで十分な気がします…。数量限定モデルなため、今後は新品が減り、中古市場にも出回るはずです。個人的には、価格がもう少し落ち着けば、買っても良いのかなと思います。
ただし、Ryzen3000シリーズや9900Kと比較して、どうしても9900KSでなければダメ!というユーザー以外には、あまりおすすめできません。