「GPUのみアップグレード」をあまりおすすめできない理由

※当ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

ここ3年ほどで、「古いビジネス用PCにGPUを追加したゲーミングPC」を見かける機会が増えました。GPUの性能自体は問題ないため、確かにゲーミングPCとして機能します。しかし、私はあまり手を出したくありません…

なぜなら、GPUだけを極端に新しいものにすると、色々なリスクがあるからです。今回は、GPUだけをアップグレードすることのリスクについて紹介します。

リスクその1:電源の影響を受けやすい

古いPCで最も危険なパーツが「電源」です。電源を含めてリフレッシュしていればまだ良いのですが、5年~7年以上も前の電源をそのまま使用している場合、他のパーツへの悪影響が懸念されます。

電源は一定年数で定期的にメンテナンス(交換)すべきパーツです。古い電源は、出力が低くなっていたり、不安定になっていたりすることがあるからです。

こうした電源の悪影響を受け、PC全体の電力バランスが崩れてしまい、パーツの寿命を縮めてしまうリスクがあります。したがって、GPUをアップグレードするならば「電源もセットで」買い換えるべきと考えています。

本来の性能を発揮できない可能性

GPUが新しくなれば、当然のことながらゲームプレイ時のパフォーマンスは向上するでしょう。

フレームレートが上がり、発色も良くなるため、一気に快適になります。しかし、GPUが本来の性能を発揮しているとは限らないのです。

GPUのパフォーマンスは、CPU性能と密接に関係します。具体的には、「性能が低いCPUは、GPUの性能を下げてしまう」のです。

よく「CPUはGPUのボトルネックにならない程度で充分」と言いますが、GPUとCPUの世代差が大きいと、ボトルネックが発生する可能性が高まります。

例えば、「RTX2070」の性能をフルに引き出すためには、最低でも「Core i5 9400」クラスの性能が必要です。このラインを割ってしまうと、せっかくのGTX2070のハイパフォーマンスに陰りが生じ、非常にもったいない結果となります。

実は割高である

「PCを買い換えると最低8万円、しかしGPUを交換するだけなら2万円、だから安い!」と考えがちなのですが、実はGPUだけ交換する方法は割高です。

BTOメーカーのモデルを見てもらえるとわかりますが、OSやパーツをそれぞれ単品で購入した場合と、大差のない価格になっています。

これは、大量の仕入れと製造でスケールメリットが生じているため。個人でパーツを購入するよりも割安になっているのです。

また、GPUだけを追加購入しても使えるPCは1台のみですが、新しく別PCを購入すれば2台になり、故障時のリスクヘッジや用途別の使い分けなどが可能になります。

したがって、中途半端にGPUだけを追加して延命するよりも、コスパに優れた新しいPCを購入したほうが、長期的にはお得になるわけです。

パーツ単位のアップグレードは中級者以上向け

既製品のPCは、大半がパーツ交換・追加で「保証対象外」になります。もし、新GPUの追加で不具合が発生しても、最悪の場合は元の状態に戻らないのです。

もしGPUだけを換装する場合は、中級者のサポートを受けるか、BTOショップなどへ相談を持ち掛けてみてください。ゲーミングPCは、「絶対性能」よりも「バランス」が大切ですからね。