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「PCで最も故障しやすいのはHDD」と言われることが多いですが、実際どの程度故障するのかを正確に把握している人は少ないと思います。
実際私も、15年になろうかというPCライフのなかで完全にHDDの故障だと判定できたケースは2~3度しかありません。
また、ここ7年ほどは故障の気配すらなく、一種の「都市伝説」のようにさえ感じます。そこで、海外サイトのデータからHDDの実際の故障率を確認してみました。
海外サイトから見えるHDDの本当の故障率
海外のクラウド、ストレージ関連ニュースサイト「BACK BLAZE」では、2020年のHDDの故障率を公開しています。
同社では2020年12月31日時点で、合計165530台のHDDを運用しているとのこと。また、複数のメーカー・容量が混在しているため、俯瞰的にHDDの故障率を分析することができたそうです。
では、さっそく2020年のHDD故障率を確認してみましょう。ここでは、故障率の指標としてAFR(年間故障率)を用いています。また、メーカーごとに故障率を整理しなおし、その一部を記載しています。
HGST
容量 | 台数 | 故障 | 年間故障率(AFR) | |
---|---|---|---|---|
モデルA | 4TB | 3100台 | 8台 | 0.27% |
モデルB | 4TB | 12744台 | 34台 | 0.27% |
モデルC | 12TB | 10830台 | 50台 | 0.46% |
Seagate
容量 | 台数 | 故障 | 年間故障率(AFR) | |
---|---|---|---|---|
モデルA | 4TB | 18939台 | 269台 | 1.41% |
モデルB | 8TB | 14406台 | 177台 | 1.22% |
モデルC | 12TB | 23036台 | 339台 | 1.04% |
Toshiba
容量 | 台数 | 故障 | 年間故障率(AFR) | |
---|---|---|---|---|
モデルA | 14TB | 21046台 | 102台 | 0.91% |
モデルB | 16TB | 1014台 | 0台 | 0% |
サンプルとして一定以上の台数があるモデルのみを抜き出すと、上記のような結果となりました。
最も故障率が低いのはHGSTで、ほぼすべてのモデルが0.5%以下の故障率になっています。
一方、Seagate製のHDDはやや故障率が高く、1%台が大半を占めます。正直なところ1000台のうち5台か10台か程度の違いでしかありませんが、それでも統計的にみると有意差が確認できて面白いですよね。
HDD故障率の全データは、こちら(https://www.backblaze.com/blog/backblaze-hard-drive-stats-for-2020/)で確認することができます。
数年連続稼働しても実際の故障率は1%程度
上の結果から得られることは「HDDはほとんど故障しない」という事実だと思います。
上記で列挙されているHDDはいずれも数十カ月の稼働実績があるものばかりです。つまり、数年単位で使用したとしても、実際の故障率は0.3~1.7%程度におさまるということ。
個人の用途で0.3~1.7%を引き当てるのは、なかなかの強運が必要です。しかも同社の分析によれば、2020年は2018年や2019年よりもさらに故障率が低かったとのこと。
HDDの故障率は年々低下しており、もはや「速度さえ我慢すれば、数年間放置しても問題ない」という、事実上のメンテナンスフリー状態にあると言えます。
また、上の結果では最も故障率が高いSeagateも、個人的には故障するイメージがほとんどありません。
私がたまたま良い品を引き当てただけかもしれませんが、過去にSeageta製品で故障を経験したことがないからです。
東芝製に至っては、10年もののHDDさえあります。PCから取り外して押し入れにしまい、3年後に再稼働させても問題なく動作していました。
今はHDDも安いですし、あまり故障を気にせず、「万が一故障したら買い替える」くらいの気持ちで扱っても問題ないのだと思います。
もちろん、サーバ用途で常時データの読み書きが発生している、といった特殊な環境であれば別ですが…。ただし、サーバ用途なら、RAID5などを組んで運用すれば、数年に一度の故障対応で済みますから。