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もし、自分の意識を体の外に飛ばしてゲームをプレイできたら……なんて考えたことはありませんか?
映画「アバター」のように意識だけを体の外に飛ばすことができれば、素晴らしい体験が待っているはずです。
実はこの「意識を外に飛ばす」という事象に対しては、すでにある計画が存在します。それは「ムーンショット目標」です。
ムーンショットとは?
ムーンショットとは、内閣府が設けている研究開発制度のひとつです。
その内容は非常に刺激的で、簡単に言うと「2050年までに複数の人間が遠隔操作する多数のアバターとロボットを組合せ、大規模で複雑な仕事を実行できるような基盤を作る」というもの。
ちなみに、2030年までに1つの仕事を1人で行う場合、10体以上のアバターを動かせるような基盤を作る目標があります。まるでSFのような世界ですが、内閣府が公式サイトで提示しているので嘘ではありません。
内閣府サイト
https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/sub1.html
ムーンショット目標では、「空間と時間の制約からの解放」「身体の制約からの解放」「脳の制約からの解放」の3つが掲げられています。
具体的には、自分の意識をサイバネティック・アバターに飛ばし、人間の身体能力や認知能力、知覚能力をを拡張することで、人間の能力自体を拡張しようというもの。
簡単に言うと、ICTを組み込んだロボットや各種装置を遠隔操作して、いろんな仕事を効率よく回そうという考え方ですね。
ムーンショットはおそらくゲームを変える
このムーンショットですが、すでに大学や企業から研究者が集められてチームを組成しており、分野ごとに研究が進む予定のようです。
目標は2030年や2050年ですが、直近の2030年まではあと9年ですよね。結構、近い未来の話です。
私の個人的な意見ですが、ムーンショットが実用段階になれば「ゲームプレイヤーが本当のスポーツ選手に変わる」と思います。
今あるeスポーツでは、あくまでも人間の能力にレバレッジをかけずにゲームをプレイしています。つまり、身体・認知・知覚は拡張されていないわけですよね。
VRやARは能力の拡張の一種とも言えますが、人間自体の能力を出力する仕組みではありません。
一方、ムーンショットが実現すれば、自分のイメージを超える動きや、一人では実現できなかったような動きができるようになります。
例えばFPSで5人チームを一人で操作できたり、RTSで戦争と建築を同時に並行出来たりといった具合にです。
人間は司令塔として役割が強くなり、ムーンショットによるサイバネティック・アバターが「第二の体」になるでしょう。
ゲーミングPCもサイバネティック・アバターの一種に?
このサイバネティック・アバターは、ゲーミングPCの進化版になるかもしれません。
今はゲーミングPCをマウスやキーボードで操作していますが、より人間の身体の動きをトレースしやすいUIに置き換われば、操作性は向上していくはずです。
また、ゲーミングPCが別のサイバネティック・アバター(簡易的なロボットのようなもの)に接続されれば、人間⇒PC⇒ロボットという経路で、普通の人間ができないような動きを再現するはずです。
こう考えると、ゲーミングPCの可能性は非常に大きく、ムーンショットの一翼を担う……と言っても過言ではない気がします。