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マザーボードの性能は初心者にとってわかりにくいものですよね。私も自作初心者の頃は「どうして同じような性能なのにここまで値段が違うのだろう?」と疑問でした。
しかし、マザーボードにはCPUを守る機能が備わっており、その性能によって値段の差となっていることが多いのです。今回はそんなマザーボードの隠れた性能「フェーズ数」について解説します。
マザーボードのフェーズ数とは何か?
フェーズ数とは、簡単に言えば「CPUに電気を供給する回路の数」です。PC用電源から発せられる12Vの電圧は、マザーボード上の電源回路を通して適切な電圧に変換されます。
この回路は「 VRM (Voltage Regulator Module) 」と呼ばれていて、複数用意されているのが普通です。さらに、「PWMコントローラ」という仕組みでどの回路を通るかが制御されています。
このときフェーズ数(回路の数)が多いと、CPUに供給する電力をきめ細かに分散することが可能です。これは何を意味するかといえば、「ひとつの回路にかかる負担が少ない」ということに繋がります。
また、変換の際には熱が発生しますから、できるだけ多くのフェーズに分散されていたほうが、放熱効果が高くなるわけです。こうして、フェーズ数が多いマザーボードほど、熱や負荷に強い構成になっていきます。
一般的にOC(オーバークロック)耐性が高いマザーボードほどフェーズ数が多く、価格も高くなるでしょう。逆に、あまりゲームをせず、アイドルの時間が長いようなPCであればフェーズ数は少ないほうが良いでしょう。それだけ電力消費が少なくなります。
フェーズ数の目安は「6」
ゲーミングPCのように高負荷状態が長時間続いたり、オーバークロックを施したりするケースでは、マザーボードのフェーズは「6」以上というのがひとつの目安です。
ただし、2018年時点では廉価版のマザーボードであってもフェーズが8~10程度あるのは普通ですから、それほど神経質にならなくても大丈夫です。
もしVRMフェーズ数にこだわりがあるならばASRockの「X399M Taichi」のようなマザーボードを狙っても良いでしょう。VRMフェーズ数が11と多く、デジタルPWMに対応しています。
OCで電圧負荷が高まっても、CPUをしっかり守ってくれそうですね。Ryzen Threadripperシリーズ対応だけあって、電源回路には気を使っているようです。
フェーズ数が全てを決めるわけではない
VRMフェーズ数は、あくまでも「電力供給が分散されている」ことを示すものであり、これだけでマザーボードの性能が決まるわけではありません。使用されているコンデンサの質や基盤の材質、各種インターフェースの配置具合など、総合的な観点で性能が決まってきます。
しかし、常にOC状態でPCを使用したいという方ならば、VRMフェーズ数を気にかけていたほうが無難です。ゲーミングPC用マザー選びの基準として覚えておきましょう。