ローエンドAPUの優等生「Athlon 200GE」

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ゲーミングPCは、何も高性能・高価格のものだけに価値があるわけではありません。できるだけ安く、必要十分な性能を発揮できるゲーミングPCこそ、優秀なマシンではないでしょうか。つまり「コスパ」が重要ですよね。

そんなコスパ重視のゲーマーにもってこいなのが、AMDのAPUです。今回は最新アーキテクチャ「Zen」と「Vega」を採用したコスパ最強クラスのAPUを紹介します。

税込み価格7000円!ローエンドAPUの本命「Athlon 200GE」

AMDのAPUは、第2世代Ryzenにも使用されている「Zen」アーキテクチャと、Radeon Vegaシリーズと同世代の「Vega」アーキテクチャを採用して以降、非常に優秀なCPUになりました。

もともとCPU部分の性能こそIntelのCPUに一歩譲るものの、GPU性能はしっかりと差をつけて突き放し、高いレベルでバランスが取れたパーツになっているからです。

今回登場したAMDの新APU「Athlon 200GE」は、Zen+Vegaという強力タッグを維持しつつ、実売価格7000円という驚異の安さを実現しています。

では早速Athlon 200GEのスペックを見ていきましょう。

Athlon 200GEの基本スペック

  • 2コア4スレッド
  • 3.2GHz動作
  • キャッシュ5MB
  • GPUは「Radeon Vega 3 Graphics」(演算ユニットは3基)
  • TDP35W

TDP35Wということで、超小型マシンの心臓部としても全く問題なさそうですね。mini-ITXでそこそこ動くサブマシンを自作するときに適しているでしょう。

Athlon 200GEの性能は?

「7000円のAPUでゲームができるのか?」と思うかもしれません。先行してリリースされたRyzen 5 2400GやRyzen 3 2200Gに比べると、確かに性能は落ちます。

しかし、「PCMark 10」を使ったベンチマークでは、これら2つのAPUに対し8割程度のスコアを叩き出しています。重量級に3Dゲームは難しいかもしれませんが、ブラウザゲームやAndroidアプリのエミュレート程度なら十分にこなすでしょう。

個人的には、Athlon 200GEを組み込んだPCにNOX(Android用エミュレータ)をインストールし、スマホゲームをプレイするという使い方を思い浮かべます。

スマホゲームは性能が低いスマートフォンでも動作するよう最適化されいるため、Athlon 200GE程度の能力でも快適にプレイできるものが多いです。「もはやグラボは不要?CPU内蔵グラフィックスの威力」でも解説しましたが、年々CPU内蔵グラフィックスの性能が向上していますね。

安価なAM4・mini-ITXマザーボードの登場が鍵

ただし、Athlon 200GEにも弱点があります。それは、せっかくの低TDP&低価格を活かせるマザーボードが乏しいことです。Soket AM4マザーボードでmini-ITXのものは、軒並み1万円~2万円の価格がついています。最も安いクラスはASRockの「A320M-ITX」でしょうか。

それでもやっと1万円を切る程度です。つまりAthlon 200GEの7000円という安さを活かした高コスパPCを作るには、マザーボードがネックになるわけです。

現実的には、「中古で安いものを狙う」「初期投資と割り切って割高なマザーボードを買う」「Micro ATXサイズで安価なもの(5000円程度)を買う」という3択になるでしょう。

こういったパーツ選びも、ゲーミングPCの楽しみの一つかもしれませんね。