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OCer(オーバークロッカー)向けのCPU改造技術としては、「リキプロ化」が有名です。CPUからヒートスプレッダ部分をはがし、液体金属(リキッドプロ)を添付することで温度を下げる技術です。
このリキプロ化、私の記憶では20年近くには既に存在していたと思います。最近は、このリキプロ化よりも「クマメタル化」が注目されているようです。
一体、どのような方法なのでしょうか。新世代のOCer向けCPU改造術「クマメタル化」を解説します。
クマメタル化とは何か?
クマメタル化は、基本的にリキプロ化の亜種、と言って良いでしょう。単純に、「リキッドプロ」の変わりに違う液体金属を使う方法です。
そもそもなぜリキプロ化と呼ばれていたかといえば、下記手順で使用する液体金属に、ドイツのCoollaboratory社製「LIQUID Pro」を使っていたからです。
- CPUからヒートスプレッダを剥がす
- CPUダイとヒートスプレッダを接着していたTIM(サーマルインターフェースマテリアル)をふき取り、液体金属に変更する
- CPUダイとヒートスプレッダを接着する
>> あくまでも自己責任!「CPU殻割り」のメリットとデメリット
クマメタル化では、手順2で「LIQUID Pro」の代わりに、ドイツのサーマルグリズリー社製「Conductonaut」を使用します。どうやら「クマメタルのクマ」は社名(グリズリー)が元ネタのようですね。
こちらも液体金属には変わりがないのですが、LIQUID Proよりも熱伝導性が高いと評判です。
リキプロとクマメタルでどの程度の差があるのか
同条件で、比較した場合の比較結果として、次のようなサンプルが確認されています。
- 純正TIM = CPU温度79度
- リキプロ化 = CPU温度69度
- クマメタル化 = CPU温度65度
リキプロ(LIQUID Pro)があまりにも有名だったため、いまひとつ知名度がありませんが、液体金属としては非常に優秀な製品のようです。しかしクマメタル(Conductonaut)のほうも徐々に浸透しており、一部のOCerの間では定番になりつつあることは間違いないでしょう。
ちなみに価格は、LIQUID PRO+CS(リキプロ)が2000円前後、Conductonaut(クマメタル)が2300円前後と、大差ありません。
ただし、Conductonaut(クマメタル)は「接触面がアルミ製のヒートシンクには対応できない」との注記があります。アルミを侵食してしまうことがその理由です。
また、リキプロのような注射器タイプでチビチビ出せるような感じではなく、結構「ドバッ」と出てしまうため、扱いには注意が必要です。
クマメタル化は夏場対策+高性能化に効果あり
扱いがやや難しいConductonaut(クマメタル)ですが、基本的にはリキプロ化と同等以上の効果が期待できます。また、手順にも違いがなく「殻割り」ができれば問題なく使えるでしょう。ゲーミングPCのCPU以外(GPUやノートPCの冷却化など)でも威力を発揮します。
メインマシンでいきなり試すのが怖いかたは、まずサブマシンや中古のCPUで試してみてください。地味ですが、安くて確実に効果が見込めるアイテムですよ。