あくまでも自己責任!「CPU殻割り」のメリットとデメリット

「殻割り」という言葉をご存じでしょうか。CPUのOC(オーバークロック)耐性を飛躍的に向上させられる自作テクニックです。しかしリスクが大きいために、いわゆる「禁じ手」のひとつともいえます。

一体どんな方法で、メリットやデメリットにはどんなものがあるのでしょうか。

「CPU殻割り」の方法とそのメリット

「CPU殻割り(からわり)」とは、何とも刺激的な響きですよね。実は私も2回ほどしか実行に移したことがありません。

なぜこんな荒業が流行しているかといえば、Intel製CPUが「Ivy Bride世代」に移行してから、熱伝導素材がグリスになったからです。

方法としては極めて単純で、CPUに乗っかっているヒートスプレッダ(銀色の四角形で熱を電動する部分)を取り外し、質の良い熱伝導グリスを塗りなおして再び接着するというもの。もう少し具体的に殻割の方法を説明すると、CPUの基盤部分とヒートスプレッダの間にカッターを差し込んで分離するというのが最初の工程になります。

しかしこれがなかなか難しく、場合によっては手を切ってしまったり、基盤を傷つけてしまったりします。そこで万力でヒートスプレッダ部分を固定し、木材越しに横から基盤をたたく、という方法が考えだされました。

コツをつかめばこちらのほうが安心安全なようです。私も試したことがありますが、なるべく横から平行にCPUへ力が伝わるよう、調節しながらトントンとやるのがコツです。かなり緊張しましたが……。

ちなみに殻割り用の製品として、「Delid-Die-Mate」というドライヤーで温めるだけの超便利なツールもありますよ。

無事分離できたら、今度はアルコールティッシュや綿棒などで、基盤をきれいにしてあげます。その後、高性能な熱伝導素材(通称リキプロ=LIQUID PRO=液体金属などが定番)を塗って薄くのばし、再びヒートスプレッダをくっつけて終了です。

この「殻割り」のメリットは、CPU内部の熱電動効率が大幅に向上しCPUの発熱や消費電力を低下させることが可能なこと。また、それにともなってOC耐性もあがっていきます。

一定以上のOCは、殻割り無しでは実現不可能といわれることもあり、低価格なCPUを一気に高性能化できる改造といえるでしょう。

一方でデメリットも大きい

低発熱、低消費電力、OC耐性向上と良いことだらけにみえる殻割りですが、こんなことをしては当然「保証の対象外」となります。ヒートスプレッダを外した時点で、メーカーの保証は受けられなくなることを知っておきましょう。

基盤が傷ついてPCが起動しなくなっても、自己責任です。成功すればCPU自体が別物になる可能性がある一方で、失敗すればリターンがゼロというリスクがあるのです。

ハイリスクハイリターンなCPU殻割り

このようにCPUの殻割りは「オールorナッシング」の面が強く、ハイリスクハイリターンな改造方法です。しかしOC耐性の高い安価なCPU(Intelのセレロンシリーズなど)を殻割りすれば、かなりのOCが可能となり、コストパフォーマンスは跳ね上がるでしょう。

万力や熱伝導材、養生テープなどが必要になりますが、余ったCPUで一度試してみる分には良い経験となるかもしれませんね。くれぐれも最初からハイエンドCPUを使うことのないように注意してください。

例えば、Celeron Dual-Core G3900など5千円以下のCPUで試し、成功したら4Ghz超のOCを目指す!という方法が良いでしょう。

自作PCはこういったハイリスクハイリターンな夢があることも、楽しみのひとつですね。