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PCパーツの心臓ともいえる電源ですが「容量」のみを見て買っていませんか?
電源は複数のパーツに電力を供給する関係上、複数の電圧を持ち、電圧ごとにスペックが決まっています。
もし「容量は足りているはずなのに、GPUが不安定…」という方は電圧ごとのスペックに問題があるのかもしれません。
そこで今回は、PC電源のスペックの読み方とチェックポイントを紹介したいと思います。
PC電源のスペックは「電圧の種類」ごとに見よう
一般的にPC電源には「+3.3V」「+5V」「+12V」「-12V」「+5VSB」という5つの電圧が設けられています。(-5Vもありますが、ほとんど使用されないため割愛します。)
この5つの電圧にはそれぞれ「最大出力電流(単位:A(アンペア))」が決められており、電圧×電流で最終的な出力(W)が決定されます。
つまり、電圧ごとの出力を見なければ、本当にCPUやGPUに適した電源かどうかは判断できないわけですね。
ここで、各電圧がどのパーツに使用されているかを整理していきます。
「+3.3V」
SSDやHDDなど、おもにストレージに電力を供給するために使用されます。
「+5V」
3.3V帯と大体同じですね。3.3V帯と5V耐はコンバイン出力(複数の電圧系統に、同時出力できる電力)が決められていることがほとんどです。
要は、この2つの電圧帯を利用して複数のパーツに電力を供給するときの限界値は何Wですよ、という表記です。
「+12V」
GPUやCPUなど、主要なパーツに電力を供給するための電圧帯です。ゲーミングPCでは+12V帯が最も重要ですね。
重要なパーツに大きな電力を供給するため、複数の+12Vを設ける電源も少なくありません。「+12V1」「+12V2」「+12V3」といった具合にいくつかの系統に分けてあるタイプは比較的スペックが高い電源です。
また、複数の系統に分けた12V帯を総合し(コンバインし)、最終的にどれだけの電力を供給できるかもチェックしていきましょう。
+12V帯を総合した出力が、CPU+GPUのTDP合計の1.3~1.5倍あれば、特に動作が不安定になることはないはずです。
「-12V」
こちらも現在はほとんど使用されていませんが、かつてはPCIスロットに電力を供給することが多かったですね。
「+5VSB」
パワーオン/オフ、Wake on Lan(LAN経由でPCを起動させる機能)などで使われます。こちらもほとんど気にする必要はないですね。
総合出力(トータルパワー)
上記すべての電圧帯から生じる最大電力の総合値で、電源自体が発生させる電力の総合値でもあります。
メーカーによって表記はバラバラで「総合出力」「最大出力」「ピークパワー」といった表記のこともあります。
要は合算値で、この合算値が商品スペックの「○○W」と表記されることが多いでしょう。
電源選びでチェックすべきは「+12Vのコンバイン出力」
このように電源選びでは、+12V帯の仕様が非常に重要です。もしGPUのTDPが300Wで、電源の最大容量が500Wであっても、+12V帯のコンバイン出力が200Wしかなければ、その電源は力不足です。
電源を選ぶ際には、「CPU+GPUの消費電力やTDPの合算値」と「電源の+12V帯のコンバイン出力」を比較し、後者が前者の1.3~1.5倍あることを確認しておきましょう。
また、電源は80PLUS認証のグレードが高いほど変換効率が高い(無駄になる電力が少ない)ため、80PLUS認証のスタンダード(無印)~ゴールドを基準に選びたいところです。