DDR5なOCメモリは「ユーザープロファイル」を活用すべし

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一般的にPC用メモリは「JEDIC基準」に従って、動作クロックやタイミングが自動で読み込まれるようになっています。

これをあえて任意の値に変更するのが「メモリOC(オーバークロック)」です。DDR5からはメモリOCをより便利に使いこなすための機能が搭載されています。

これかDDR5に移行する予定がある方は、是非参考にしてみてください。

OCメモリには「任意の設定値」が書き込まれる

まず、OCメモリの基本からおさらいしておきましょう。

冒頭でも述べたように、一般的なメモリはJEDIC基準で定められたメモリクロック、動作タイミング、電圧などが読み込まれます。

設定値が自動で読み込まれることで、メモリは決められた動作を行うわけですね。裏を返せば、設定値を標準値以外のものに変更することで、標準以上の動作をさせることが可能です。

これがいわゆる「メモリOC」であり、あらかじめOCされた設定値を持つメモリが「OCメモリ」なのです。

OCメモリはJEDIC基準とは別に、個別の「プロファイル」が設けられています。このプロファイルとは設定値の集合体であり、プロファイルの内容に応じて独自の動作をするようになっています。

個別のプロファイルは「XMPプロファイル」と呼ばれており、XMPプロファイルをUEFIが読み込み、その内容に従ってメモリを動かします。

もうすこし具体的に述べると、OCメモリはJEDICが定めた設定値の他に、拡張項目としてXMPプロファイルを持つため、下記のように複数のプロファイルを持っていることになります。

プロファイル1:JEDIC基準値

  • Frequency:1200MHz
  • CAS Latency:17.0
  • RAS to CAS:19
  • RAS Precharge:19
  • tRAS:40
  • tRC:57
  • Valtage:1.15V

プロファイル2:XMPプロファイル

  • Frequency:1435MHz
  • CAS Latency:17.0
  • RAS to CAS:19
  • RAS Precharge:19
  • tRAS:45
  • tRC:71
  • Valtage:1.35V

XMPプロファイルのほうが動作クロック(Frequency)や電圧(Valtage)が大きいですよね。ここまでがOCメモリの基礎知識です。

DDR5メモリではユーザが独自にプロファイルを保存できる

徐々にDDR5メモリへの移行が進みつつありますが、DDR5メモリにはXMP3.0に対応している製品があります。

XMP3.0では、ユーザーが独自にいくつかのプロファイルを書き込めるようになっており、マザーボードを変更してもこのプロファイルを引き継ぐことが可能です。

2022年4月時点でこのユーザプロファイル読み込み機能に対応しているのはMSIのマザーボードだけのようですが、今後は対応製品が増えていくと予想されます。

ちなみにXMP3.0で作成されたユーザープロファイルは、UEFIから登録・削除を自由に行えるため、「自分が突き詰めたOCの設定値」が保管できるようになりました。

一般的にXMP3.0のユーザープロファイル機能は、「OC関連項目→Advanced DRAM Configuration→XMP User Profile」などから利用できます。(メーカーによって多少の違いあり)

ここに、UEFI上で設定した任意のOC用設定値を登録することで、DDR5メモリ内にプロファイルを保存できるようになるわけです。

このように「DDR5メモリモジュール+XMP3.0プロファイル編集機能に対応したマザーボード」という組み合わせが必要ですが、メモリOCもかなり手軽に行える時代になったなと感じますね。

ちなみにMSIとGIGABYTE以外の対応は未定のようですが、もしメモリOCを常用するようでしたら、ぜひ対応マザーボードを探してみてください。