APUは廉価ゲーミングPCの救世主になるか

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半導体の高騰と物価高のダブルパンチで、2022年もゲーミングPCは高値で推移しそうです。

特にGPUの価格が非常に高いため、GPUをいかに抑えるかで予算が変わってきますよね。そこで再注目すべきなのが「APU」です。

今回は廉価ゲーミングPCの強い味方である「APU」の現状とこれからについてまとめてみました。

そもそもAPUとは?

APUはCPU/GPU開発大手のAMD社が提供している「CPU・GPU統合型チップ」の名称です。正式には「Accelerated Processing Unit」という名前ですね。

もともとはCPUの内蔵グラフィック強化の中で生まれた製品ですが、かつて存在したGPUベンダー「ATI」をAMD買収したことで本格的に開発が進みました。

APUはその名のとおり、CPUとGPUを統合したパーツです。表向きは内蔵グラフィックが強化されたCPUなのですが、ここで使われている内蔵グラフィックは独立GPUに似たコンセプトで設計されています。

そのため、Intel製CPUの内蔵グラフィックに比べると2倍以上の高い処理能力を持つこともあります。実際のイメージとしては、1~2世代前のエントリーGPUに匹敵する描画性能を持つCPUが適切でしょうね。

なぜAPUが再注目されているかというと、ずばり「安いから」です。APUはCPUとGPUを別々に購入する費用の半分~3分の1以下で、そこそこの描画性能を持つPCを作ることができます。

実際、私もAMDのAPUを使って何台かPCを組みましたが、軽いゲームくらいなら難なくこなしてしまいますね。国産のMMO RPGならFF14以外は普通に遊べてしまうのではないでしょうか。

もちろん、最高画質になると厳しいのですが、APUの上位グレードならばミドルレンジクラスのゲーミングPCと大差ないプレイ環境を作れてしまう可能性があります。

APUの現状(2022年時点)

2022年4月時点で、APUは「Ryzen 5000Gシリーズ」が最新版です。中でも売れているのは以下2つ。

Ryzen 5 5600G(実売価格:約27000円)

6コア12スレッド、3.9~4.4Ghz動作、TDP45~65W
Radeon Graphics内蔵(GPUコア数7、動作周波数1900MHz)

Ryzen 7 5700G(実売価格:約38000円)

8コア16スレッド、3.8~4.6Ghz動作、TDP45~65W
Radeon Graphics内蔵(GPUコア数8、動作周波数2000MHz)

ちなみにこの2つはRyzen 5やRyzen 7の後継ではなく、全世代の業務用CPU「Ryzen 5 PRO 4650G」の後継にあたるそうです。

つまりAMDのAPUは、通常のCPUラインとは別に進化しているということですね。CPU性能自体は通常のCPUより落ちるものの、GPU性能はもちろん上。

Zen3+Vegaベースで構築されており、同世代のIntel製CPU「Core i7 11700K」と比べて約2倍のグラフィックス性能を持っています。

これがどの程度の性能かというと、大体以下のとおりです。

・Apexの最低画質ならフルHDで常時50~55fps程度
・Fortniteの中画質ならフルHDで常時80~86fps程度

カジュアルなFPSならば、十分に実用性があるレベルですね。特にFortniteはAPUで全然問題ないように思います。

APUのこれから

直近では、AMDが2022年中を目処に「Ryzen 7000シリーズ」を提供すると名言していますので、これにともなってAPUも更新されるかもしれません。

また、ノートPC用としては「Ryzen 6000シリーズ」が登場しており、こちらも実質的にAPUですね。

APUは一時の勢いこそありませんが、地道に開発が進んでおり、今後も期待できる分野です。現時点でも、ドラクエ10やFortniteあたりを中心に遊べれば良い、という方ならば最適候補のひとつになります。

もちろん、あとからGPUを追加することも可能ですから、「つなぎ」としても使用できます。