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だいぶ昔の話で恐縮なのですが、15~6年前、PCケースノサイドパネルに大型のケースファンを搭載するというブームが起きました。
今ではほとんど見かけなくなりましたが、サイドパネルにファンを搭載したケースはかなり売れたようで、どこのBTOショップでも取り扱っていたほど。
あれだけ流行したケースが、なぜここまで廃れてしまったのか。今回は懐かしのサイドパネルにファンを搭載したPCケースのメリットや、廃れた理由、復活の可能性などを解説します。
サイドパネルにファン搭載のPCケースがなぜ流行ったのか
サイドパネルにファンを搭載したPC(以下、サイドファンPC)が流行したのは2000年代の中盤頃だったと思います。
当時はデュアルコアCPUが主流で、CPUクーラーが徐々に大型化し始めた時期でした。それまでは密閉型のPCケースが主流だったのですが、エアフローを確保(=冷却能力向上)のためにメッシュ化も進んでいましたね。
この流れで登場したのがサイドファンPCで、サイドパネルに15センチサイズ以上のファンを搭載したり、CPU付近までダクトをつないでエアフローを確保したり、メーカー各社は工夫を凝らしたものです。
実際に、CPUの冷却についてはかなり優秀で、OC仕様のゲーミングPCにはほぼ必須と言える機能でした。私もサイドファンPCケースを3つほど買い替えた記憶があります。
あとは、当時流行していたマザーボードの仕様(サウスブリッジに内蔵GPUを配置する)にも向いていましたね。
今では全く見なくなりましたが、当時はCPU内蔵グラフィックよりもマザーボードにGPUを組み込む形式が流行していて、このオンボードグラフィックを冷却するためにもサイドファンは有効でした。
このように様々な事情からサイドファンPCケースは流行していったのです。
あれだけ便利だったのになぜ廃れたのか?
2010年代に入るとサイドファンPCケースは途端に減っていきました。理由としては、
- サイドパネルがクリアパーツに変わった
- CPUクーラーの高性能化や簡易水冷の普及
- 天板吸気/排気の普及
- 5インチベイの撤廃によって前面吸気が可能になった
- マザーボード上に内蔵GPUを配置せず、描画処理はCPUかグラボかの2択になった
などが挙げられますね。
サイドファンPCが全盛だった時代は、HDDやドライブの設置が一般的で前面吸気がやりにくかったです。また、天板排気がほとんどなく、空気の取り込み量を確保することが難しかったんですね。
CPUとグラボをしっかり冷やすには、サイドから無理やり空気を取り込むよりも、前面の大口径ファン+大型クーラーのほうがエアフロー的には効率が良いですし。
さらに今のPCは、一部分だけを冷やしてもあまり意味がなく、マザーボード全体を包み込むように冷却しなくてはなりません。この場合、前面+底面から空気を取り込んで天板と背面から排気するほうが効率は良いのです。
サイドファンPCケースは、CPUやグラボにピンポイントで空気を送れるものの、当時は天板排気が一般的ではありませんでした。そのため、取り込んだ空気がCPUやグラボ周辺で滞留しやすいという問題がありましたね。
逆に今なら、サイドから取り込んで天板から排気することで、グラボ・チップセット・CPUを舐めるように冷却できるので、効率が良いかもしれません。
サイドファンPCケースは復活する?
一度売れなくなったものをメーカーが再度復活させるかは未知数ですが、ポテンシャル的には今でも十分通用すると思います。
特にCPUとグラボが高発熱化しているので、天板排気と組み合わせることで冷却能力を上げたPCケースには需要があるのではないかと。
ただまあ…、サイドファンPCは小型化が難しいので、その点を解決する必要がありますね。今でも安価なPCケースにはサイドファンを取り付けるベースがあったりしますので、気になる方は試してみても良いでしょう。
騒音さえ妥協できるなら、安くてよく冷えるPCケースになりますよ。