HarmonyOSとは?ファーウェイの独自OSの特徴

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現在、モバイル端末向けのOSといえば、Googleの「Android」とAppleの「iOS」が主流です。

しかし近年、新たな選択肢として注目を集めているのがファーウェイの「HarmonyOS(ハーモニーオーエス)」です。

Androidとは異なる独自の設計を採用しており、特にファーウェイ製のデバイスを中心に採用が進んでいます。

では、HarmonyOSとはどのようなOSなのでしょうか。Androidとは何が違い、どのような特徴を持っているのでしょうか。

HarmonyOSとは

HarmonyOS(鴻蒙OS)は、中国の通信機器メーカー・ファーウェイが開発した独自のオペレーティングシステムです。

2019年に正式発表され、当初はスマートフォン向けというよりも、IoT機器やスマート家電向けのOSとして開発されました。

しかし、その後の米中貿易摩擦による制裁の影響で、ファーウェイはGoogleのサービス(GMS:Google Mobile Services)を利用できなくなりました。

これを受けて、HarmonyOSはスマートフォンやタブレット、PCなど、より幅広いデバイス向けのOSへと進化しました。

現在では、スマートフォンやタブレットだけでなく、スマートウォッチやテレビ、さらには車載システムなど、さまざまな機器で採用されています。

「すべてのデバイスがシームレスにつながるエコシステム」を目指して設計されており、スマートデバイスの統合管理に強みを持っています。

普通のAndroidと何が違うのか?

HarmonyOSは、見た目や操作性がAndroidと似ていますが、技術的には異なる点が多くあります。特に、マイクロカーネルアーキテクチャの採用やマルチデバイス対応の設計が大きな特徴です。

マイクロカーネルアーキテクチャ

従来のAndroidは「モノリシックカーネル」という構造を採用しており、OSの中核部分(カーネル)が多くの機能を担っています。

一方、HarmonyOSは「マイクロカーネル」という方式を採用し、OSの基本部分を最小限に抑えています。

マイクロカーネルになると、システムの安定性やセキュリティが向上し、異なるデバイス間でスムーズな連携が可能になります。

また、必要な機能をモジュールとして追加できるため、スマートウォッチのような小型デバイスからスマートフォン、PCまで幅広く対応できます。

マルチデバイス対応の強化

HarmonyOSは、スマートフォン、タブレット、PC、スマートウォッチ、IoT機器など、異なる種類のデバイスを統合的に管理できる設計になっています。

たとえば、スマートフォンで見ていた動画をワンタップでテレビに移したり、タブレットとPCをシームレスに連携させたりすることが可能です。

Androidも同様の機能を提供していますが、HarmonyOSではよりスムーズなデバイス間の移行が実現されています。

Androidアプリの互換性

HarmonyOSは、Androidアプリの多くをそのまま動作させることができます。

これは「Ark Compiler(アークコンパイラ)」という独自の技術によって実現されており、Android向けに開発されたアプリでも、HarmonyOS上でほぼ問題なく動作します。

ただし、Google PlayストアやGMSを利用できないため、Googleのサービスを必要とするアプリ(GmailやGoogleマップなど)は制限を受けることがあります。

ファーウェイは独自の「AppGallery」というアプリストアを提供し、独自のエコシステムを構築しています。

実際の使い勝手は?

実際にHarmonyOSを搭載したスマートフォンやタブレットを使用すると、見た目や操作感はAndroidに近いため、違和感なく利用できます。

特に、ファーウェイ独自のUI「EMUI(Emotion UI)」の流れをくんでいるため、ファーウェイ製のスマートフォンを使ったことがある人にとっては馴染みやすい設計ですね。

また、マイクロカーネルアーキテクチャを採用していることで、OS全体の動作が軽快です。特に、アプリの起動速度やデバイス間の連携動作がスムーズです。

さらに、システムリソースを効率的に管理するため、長期間使用しても動作が重くなりにくいというメリットがあります。

デバイス間の連携がスムーズ

HarmonyOSの最大の特徴の一つが、異なるデバイス間のシームレスな連携です。

たとえば、スマートフォンの通知をタブレットで受け取ったり、PCの画面をタブレットに拡張したりすることが簡単にできます。

また、ファーウェイ製のスマートウォッチとスマートフォンを連携させることで、健康データの同期や通話の受信などもスムーズに行えます。

非常によくできているがアプリの入手方法に制限あり

Androidアプリとの互換性はあるものの、Google Playストアが利用できないため、アプリの入手方法が限られます。

ファーウェイは独自の「AppGallery」を提供し、代替アプリの充実を図っていますが、特定のアプリを使いたい場合は不便に感じることもあるでしょう。

また、一部のアプリは手動でAPKファイルをダウンロードしてインストールする必要があります。

OSとしてはとてもよくできているのですが、Playstoreを使えないのは痛いですね。ここをどう捉えるかで、HarmonyOSの評価が分かれると思います。