PCパーツごとの適正温度範囲まとめ

ゲーミングPCの寿命をできるだけ長くし、故障を少なくするには温度管理が大切です。ただし、PCパーツの温度は単に低ければ良いというものではありません。

パーツごとに適正温度があり、その範囲内で使用することが望ましいといわれています。そこで、PCパーツごとの適正温度をまとめてみました。

PCパーツごとの適正温度範囲

まず主なPCパーツとして、「CPU」「GPU」「ストレージ」「電源」の4つをピックアップし、それぞれの適正温度範囲をまとめると以下のようになります。

PCパーツごとの適正温度範囲

CPU 40℃~80℃(80℃を超えるとサーマルスロットリングが発生する可能性あり)
GPU 55℃~80℃
ストレージ HDD30℃~50℃、SSD 0℃~70℃
電源 10℃~60℃

このようにPCパーツによって適正温度範囲にかなりのバラつきがありますね。最も高温になりやすいのはCPUとGPUです。しかしこの2つは冷却パーツも豊富でエアフローの恩恵を受けやすいようなケースが多いため、一般的な対策をしておけば、実はそれほど心配ありません。

それよりも意外と見落としがちなのがストレージや電源です。この2つは高温だけでなく「低温」にも注意する必要があります。

パーツの温度を計測する方法はいくつかあり、「ゲーミングPCの温度管理に役立つフリーツール」の記事でおすすめのものをまとめています。

ストレージと電源は低温に弱い

私は頻繁に友人からパソコンの不具合に関する相談をうけます。このうちかなりの数を占めるのが「冬にパソコンが起動しない」という相談です。

特に深夜や早朝にゲームをやろうとしてPCが起動しなくなった、というケースが多いです。高温が問題視されるゲーミングPCで、なぜ冬に問題がでるのか?と疑問に感じる方もいるでしょう。

実はこれ、ストレージと電源が低温状態に弱いことに起因しています。

ストレージ

まずストレージです。HDDの場合、室温が10℃以下、特に5℃以下の環境では故障リスクが高くなります。なぜかというと、内部の磁気ディスクの回転軸に使われているグリスが低温状態でかたまり、起動時のスピンアップに失敗するからです。

また、回転を制御する機能が働き、磁気ディスクが回転しにくくなることもあります。室温5℃以下の環境では25℃の環境に比べて6倍以上の故障率が確認されたというデータもあるほど。

一方、SSDは物理的な回転箇所がなく、内部で電気的なデータが流れているだけなので低温状態にも強いです。しかし、室温が氷点下になるような環境では、起動に失敗する可能性もあります。

電源

次に電源です。電源は10℃以下で故障リスクが高まるといわれています。特に液体コンデンサは低温に弱く、低温状態では出力不足に陥ってしまいます。

マザーボードにもコンデンサが使われていますが、最近のハイエンドなマザーボードは固体コンデンサの採用が増えたため、これらは比較的低温にも強いです。

電源の場合、固体コンデンサを使うと容量を増やしにくくなるため、液体コンデンサが主流となっています。そのため、特に低温に注意する必要があるのです。

温度と共に湿度にも気を付けたい

海外の研究によれば、ストレージの故障は温度よりも湿度に影響を受けるとの結果が出ています。

PCパーツの故障を防ぐには、何よりも「結露」を発生させないことが重要です。目安としては「湿度20%から80%」なのですが、結露は温度が関係するためあくまでも参考に留めてください。

ちなみに温度が低いと低湿度状態でも結露しやすくなるため、やはり冬場はPCが故障しやすいのです。また、梅雨のように湿度が急上昇する時期も要注意。

高温ばかりに気を取られるPCの温度対策ですが、実は低温状態や湿度、温度差のほうが重要だといえるでしょう。

また低音にするためにはファンの回転数が上がり、うるさくなる傾向があります。それを解決する方法として「静音パソコンにするためのパーツの選び方」の記事を書きました。