メカニカルと静電容量の併せ技「静電容量式メカニカルスイッチ」とは

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2023年時点で、ゲーミングキーボードの仕組みは「メカニカルスイッチ」と「静電容量スイッチ」に大別されます。

市販されているキーボードは前者が圧倒的に多いのですが、リアルフォースのように静電容量式もそこそも存在しています。

また、最近はこの2つの特徴を併せ持つ「静電容量式メカニカルスイッチ」が登場。もしこの仕組みが熟成していけば、無敵のゲーミングキーボードになるかもしれません。

静電容量式メカニカルスイッチとは?

まず、静電容量式メカニカルスイッチについておさらいしておきましょう。

一般的にメカニカルスイッチとは、物理的な接触によって入力信号が送られます。これに対して静電容量式スイッチは、スイッチ(電極)と人体が接触することで発生する静電容量の変化を検知し、それを入力信号に変えます。

静電容量式スイッチの場合、メカニカルスイッチとは違って物理的な摩耗がほぼ発生しないので、耐久性は無限(理論上)と言われます。

しかし静電容量スイッチはスイッチ内部に電極やセンサーを仕込む必要があったり、バネがドーム状の特殊な形状であったりするために、非常に高価です。

さらにメカニカルのように軸の種類によってさまざまな打鍵感を演出することも難しいという弱点がありました。この点を克服したのが「静電容量式メカニカルスイッチ」です。

静電容量式メカニカルスイッチでは、ドーム状のバネやシリコンボールなどを使用することなく、メカニカルスイッチと同じような機構で非接触の信号入力を実現しています。

具体的には、静電容量トリガーと呼ばれるセンサーをメカニカルスイッチの物理的接触部分に設置し、信号入力のきっかけとしているのです。

この仕組みによって、構造上はほとんどメカニカルスイッチと同じになったため、打鍵感の多様化ができるようになりました。

VARMILOの静電容量式メカニカルスイッチ

この静電容量式メカニカルスイッチを採用したキーボードが「VARMILO」です。VARMILOは中国のゲーミングギアメーカーで、デザインが良く高品質なキーボードを製造しています。

VARMILOでは静電容量式メカニカルスイッチの採用によって、静電容量式スイッチの耐久性とメカニカルスイッチの多様性を両立させました。

現在は静電容量式スイッチV2がリリースされており、同スイッチを採用した3種類の軸があるようです。

VARMILO Daisy軸

最軽量の軸で作動力は35gf(押下圧35g)。CHERRY MXスイッチで言えば、赤軸や銀軸よりも軽いため非常に軽快なタッチが特徴。

VARMILO Sakura軸

作動力45gf(押下圧45g)と赤軸と同等クラスの軸。クリック感も多少あるため一般的なメカニカルスイッチのイメージに近い。

VARMILO Rose軸

作動力55gf(押下圧55g)で茶軸と同等クラスの軸。青よりも少しだけ重いが反発がそこそこあるのでゲーミング向けの軸。

私が触ったことがあるのはVARMILO Rose軸ですが、確かに一般的なメカニカルの青軸よりも少しソフトで軽いというイメージがありますね。ただし、いずれもリニアスイッチですのでクリック感は薄め。

この点が従来の静電容量式スイッチに似ていると思います。リニアタイプのメカニカルスイッチがほんの少しソフトになった様子を思い浮かべていただければ良いでしょう。

ゲーミングキーボードは多様化の時代

一昔前は、ゲーミングキーボードといえばメカニカルの軸の種類で選んでいましたが、今後は仕組みの違いにも注目したいところです。

特に静電容量式スイッチを採用するメーカーが増えているので、より自分の感覚に適したキーボードを選べるようになりました。個人的には、静電容量式メカニカルスイッチは「あり」だと思います。

ぜひ参考にしてみてください。